内容説明
「自己肯定感」育て、「成長」の希求、「ウェルビーイング」や自発的「リスキリング」の勧め、「自立」の推進、「自分の機嫌」のとり方、「つぶしが利く」能力……。社会でもてはやされる「よりよい生き方」を疑い、軽やかに解きほぐす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
59
【能力主義を始めとする「分けて」「分かった」気になり、「分け合い」を決めることは、進行がんの闘病において、何の希望の足しにもならなかった】「よりよい社会」というような「正論」に、学問的、職業的経験、今も続く闘病経験から疑義を呈した書。巻末に「岐路に立つあなたへ贈る読書案内」。<「岐路」というのは、あとから考えると明確にそこにあったのに、そのときそのときには気づけないことが多い。だから、思慮深く、慎み深く「よりよい社会」を考えるならば、見えない「岐路」への感度を上げていく作業に、ある種の希望がある>と。⇒2025/05/18
とよぽん
56
著者は組織開発の仕事をしている方。先日、ラジオ番組で企業組織について話をしていらっしゃった。とても歯切れのよい明晰で説得力のある話だった。この本も、現代社会の生きづらさの根本を問い続ける姿勢が徹底している。何となく皆がそう思わされている能力主義や自己責任、タイパって大事、リスキリングしよう、ウェルビーイングを目指そう・・・それらの仕掛け、呪いを掘り下げていく著者の文章に、目から鱗が何枚も落ちる思いがした。2025/04/19
よっち
28
社会でもてはやされる「よりよい生き方」「しあわせになるには」を疑い、軽やかに解きほぐす20の問い。違和感をなかったことにせず未来のために現状を問い直す1冊。格、能力、自己肯定感、矛盾、ガチャ、つぶしが利く、自立、覚悟、成長、自己責任、リスキリング、タイパ、対話、人となり、ウェルビーイング、赦す、メリット、躊躇といったテーマに対して、こうあるべき、こうした方がいいと単純化されて称賛されている現状に疑問を呈していて、多様性が謳われる中で、実際には不寛容な社会になっていかないか危惧する問いを興味深く読みました。2025/02/16
タカナとダイアローグ
20
格差の「格」は、木の枝ぶりが各々異なっていること(意訳)とのこと。この意味において、優れた枝も劣った枝もないわけで、格ではなく「差」が序列の原因。上の方にある枝も、下の方にある枝も木にとって必要なわけで、人間社会も同じ。特定の「格」が生きやすいようにつくられた社会って感じ。 リスキリング(社内異動のため、勤務時間にスキル取得する概念)とリカレント(大人の学び直し)が同じような意味で語られてしまっているのは問題。特定の「格」を得るために争う無限競争‥そんなの嫌。最新刊で学歴についての本も買った。解毒したい。2025/03/18
江口 浩平@教育委員会
17
【教育】マイブームと化している勅使河原さんの最新刊。連載をひとまとめにしていることもあり、一気に読むと毒素が強い感じもあるが、「成長」「対話」「リスキリング」といった一見何が問題なのだろうと思うようなテーマであっても、前提部分は問い直すことができることを充分に示している。誰によって何が正しいことにされているのか問い続ける姿勢をもつこと。それを我々大人が意識できるようになることが必要だと感じた。2025/01/25




