内容説明
大手家電メーカーのイコマ電器が倒産した。ワンマン社長の生駒伝治が、粉飾決算をつづけていたばかりか、重役たちとともに3億円あまりの金を横領した疑いがあると聞き、行き詰まった下請業者らは憤する。ところが当の生駒はのらりくらりとそれをかわして説明責任を果たそうとしない。そのさなか、前重役のひとりが失踪。殺人を疑う警察は捜査に乗り出すが……。不合理な社会のひずみを激しく糾弾した社会派長編推理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
majimakira
12
1960年代後半の脂の乗った時期の松本清張作品復刊。社会経済サスペンスの緊張感と、当時の社会の構造、生活の様子などが興味深い展開から、遠距離の大胆な移動を含む多くの謎を伴うど真ん中の推理小説のそれへと移り、清張文学の醍醐味をまとめて味わえるような作品だった。事件解明の過程は、時代の違いもあり疑問が拭えないところも残ったが、時に戦慄を覚えるような驚くべき転換を見せる展開がやはりすごい。タイトルの通り、葉の表面に見える葉脈の筋が、とても意外な形で別の筋をその下に隠していたかのような、なかなかの転換だった。2025/02/24
かすみ
9
長かったですが、最後まで面白かったです。トリックがさすがです!2025/08/16
しかちょう
1
#松本清張 #二重葉脈 #角川文庫 大手のイコマ電器が倒産 社長も重役も不正がいっぱい 債権者の下請業者は不満の怒り 社長宅に押しかけて捕まる業者たち そして重役らの死体発見 昭和のミステリらしく便利な機器が無い時代 じわじわ進み、いや進まん 清張先生のゆっくりの展開 こんなん好きです2025/11/26
Ryoko
1
長編ミステリー。中盤までは特に事件も起こらず登場人物の相関図のようで正直面白く思えなかったが中盤からはどんどん起こる殺人で俄然面白くなる。黒幕まで殺され犯人と思われた人間は自殺で真相は闇の中かと思いきや、、。真犯人、最初からちょっと予想出来た。いろんな場面に不自然に登場してくるから。最後は事実がわかりスッキリ。2025/08/28
たけのうみ
1
32025/03/03




