文春新書<br> 陸軍作戦部長 田中新一 なぜ参謀は対米開戦を叫んだのか?

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文春新書
陸軍作戦部長 田中新一 なぜ参謀は対米開戦を叫んだのか?

  • 著者名:川田稔【著】
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • 文藝春秋(2025/01発売)
  • ウルトラ電読フェア ポイント40倍(~3/26)
  • ポイント 400pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614820

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内容説明

対米戦争を決した男は何を考えていたのか?

田中は陸軍の中でも最も強硬に日米開戦を主張した人物です。参謀本部作戦部長という重要なポジションにあって、作戦立案の中心を担った田中は、国策決定上、大きな発言力を持ちました。
なぜ圧倒的な国力差のある米国と戦わなければならないか。実はかなり開戦のギリギリまで、日本は、なんとか米国とは戦わない方法はないか、と検討を重ねています。しかし、田中は早くから米国との戦争を決意していました。
現代の眼からは田中が唱えた「日米開戦すべし(そしてソ連も)」との主張は理解しがたいでしょう。しかも田中は同時にソ連とも戦うべきだ、と主張します。無理に決まっています(実際、陸軍も無理だと判断しました)。しかし田中は陸軍の頭脳ともいうべき参謀本部の、しかも作戦担当のトップだったのです。彼の対米開戦論は、参謀本部に結集した情報に基づき、彼なりのロジックで組み立てられたものでした。その論理とは何だったのか。
参謀は、いかに勝利への答えが出ない状況でも、何か無理やりにでも、「これなら勝てる(可能性がないわけではないかも)」みたいなプランを出し続けなくてはなりません。田中はその仕事にきわめて精力的に取り組みました(その結果、日本を敗戦に導きます)。
戦争の途中で、田中は軍務局長をぶん殴り、東条英機首相に「馬鹿者共」を罵声を投げつけて、ビルマに飛ばされてしまいますが、田中がいなくなると陸軍にはもう、「これなら勝てる(以下略)」を絞り出せる人はいなくなってしまいます。そのあと2年半くらい、日本はずるずると犠牲を出し続けて、負けます。そういう本です。是非ご一読を。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

127
田中新一が自分なりの情勢分析に基づき、対米開戦を主張した経緯はわかった。しかし当時の軍人らしく戦争は勝てばいいと思い込み政治や外交、経済の大切さを理解できず一切を戦争優先でやろうとしたため、分析の前提が全て間違っていた。しかも自分の考えが正しいと信じて疑わず、反対者と容赦なく対決した。ガダルカナル奪還のため国内経済がマヒするほどの船舶徴用を要求し、拒まれると上官を殴り首相をバカ呼ばわりするなど人として根本的欠陥がある。戦後に東京裁判の被告に指名されなかったのも、視野の狭い戦争バカと思われたからではないか。2025/02/16

skunk_c

66
陸軍の対米開戦最強硬派と言われる人物の、評伝というよりはその時々の「戦略」的思考を本人の記述などから整理したもの。時に上司だった石原莞爾や、同僚だった武藤章と対立しつつも、世界情勢に目配せしながらの「戦略」を立てていたことは理解できた。一方その思考は極めて好戦的。「戦略」の基本にドイツがイギリスに打ち勝つという当時の日本の戦争指導者と同根の「他力本願」があること。そして決定的だったのは、航空戦力の重視などの視点を持ちながら、日本のトータルの経済力や戦車などの兵器の近代化にあまり意識がなかったのではないか。2025/04/01

金吾

32
○開戦当時の作戦部長であった田中新一の考え方をおっています。状況対応型であり、状況に応じた戦略はたてられますが(そんなのは戦略ではないです)、そもそもの基本的戦略を間違えていると感じました。一番の違和感は他国の戦果で勝ちを得ようという考えの割に自国の国力を高く評価して戦略を練っている点です。また海軍も日米の国力の差をいうならば何故軍縮会議を固持しなかったのだろうとも思いました。ただ田中部長の一連の考えが整理できたのは良かったです。2026/03/02

CTC

15
1月の文春新書新刊。著者は『昭和陸軍の軌跡』他で、パワーポリティクスが貫徹する20世紀前半の世界情勢に於いて、昭和陸軍が一定の妥当性を持った政戦略構想を持って臨んでいた事を描き出し、特に石原、永田、武藤及び田中を戦略家として挙げていた。著者は田中以外の3名は別で本にしているからこれで[昭和陸軍戦略家四部作]とでもいうものが揃った事になる。基本は田中の陸軍省軍務局軍事課長時代(37年3月〜)から参本作戦部長解任までを、当時の当人メモに基づいて、時系列にどんな構想だったか見ていくもので、大変面白かった。2025/04/05

広瀬研究会

7
これまでの川田氏の著作で、日米開戦の強硬派として描かれた田中新一。その田中でも対米戦はできれば回避したいと考えていた。だが日米交渉で妥協、譲歩をしたならば、アメリカは対独戦に参戦し、ドイツは敗れる。その後日本は米英中ソに包囲され、戦わずして屈することになるだろう。田中はそう分析し、であれば独伊との同盟を継続、アメリカの戦備が整う前に早期開戦すべし、と主張した。ドイツがソ連に勝っていれば、あるいはその戦略が当たっていたかもしれないが、そういうことにはならなかった。2026/03/04

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