文春新書<br> ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

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文春新書
ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

  • 著者名:梶谷懐【著】/高口康太【著】
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • 文藝春秋(2025/01発売)
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  • ISBN:9784166614813

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内容説明

「楽観」と「悲観」の中国経済を読み解く

不動産バブルが崩壊し、今世紀最大の分岐点を迎えた中国経済。
このまま衰退へと向かうのか、それとも、持ち前の粘り強さを発揮するのか?
『幸福な監視国家・中国』で知られる気鋭の経済学者とジャーナリストが、ディープすぎる現地ルポと経済学の視点を通し、世界を翻弄する大国の「宿痾」を解き明かす。

◎「はじめに」より
中国経済に関する書籍はしばしば、楽観論もしくは悲観論、どちらかに大きく偏りがちである。
そうした中で本書の特徴は、不動産市場の低迷による需要の落ち込みと、EVをはじめとする新興産業の快進撃と生産過剰という二つの異なる問題を、中国経済が抱えている課題のいわばコインの裏と表としてとらえる点にある。
なぜなら、これら二つの問題はいずれも「供給能力が過剰で、消費需要が不足しがちである」という中国経済の宿痾とも言うべき性質に起因しており、それが異なる形で顕在化したものにほかならないからだ。
「光」と「影」は同じ問題から発しているのだ。

◎本書の内容
●1999年の着工以来、四半世紀も未完成のマンション
●陸の孤島にそびえ立つ巨大幽霊タワマン
●不動産危機によるチャイニーズドリームの終焉
●コロナ以降の金融・財政政策のチグハグさ
●バブルはなぜこれまで崩壊しなかったのか?
●「合理的バブル」が中国経済にもたらした歪み
●楽観ムードが消え、人々は借金返済と貯蓄に邁進
●スタバからコンビニコーヒーへ…消費ダウングレードが加速
●国家公務員は倍率87倍の狭き門に
●竹中平蔵が中国経済のキーパーソン?
●EV普及の裏にある「墓場」の存在
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

43
『幸福な監視国家・中国』からわずか5年の間に、報道だけでも中国の状況が一変していることが分かる。成長が止まり、不況で個人が苦境に陥っている。それは個人では解決できないような構造的な問題のようにみえる。あたかも90年代に日本が味わった苦しみのようだ。前著は日本とは異なる中国の社会の考察だったが、本書は経済における側面を取り上げている。経済という共通言語があることで、日本と中国は同じ目線にたてる。日本は80年代にアメリカから双子の赤字のうち、貿易赤字の原因だと批判された。日本政府は輸出主導ではなく国内需要によ2025/01/30

まると

24
中国企業が強くなったのは政府の優遇があったからだろうと調べもせずに色眼鏡で見ていたが、国内で培われた高い生産性こそが国際競争力を生んだのだと幾多の傍証により公平な目線で教えてくれた。不動産バブルの分析が興味深い。そもそも地方政府の財源が土地所有権の売却益に依存していたとは、共産主義国ならではの驚愕の事実だ。中国はスケールが大きすぎて政府も最適解が見つからず一筋縄ではいかなくなっているのだろう。二人の共著は2冊目だが、現地ルポと経済指標の分析が融合していて勉強になる。トランプ2.0以後の著作にも期待したい。2026/05/19

アミアンの和約

16
習近平以後の中国の政策を、主に金融や財政政策の面から分析していく。数字が多いためやや文章に冗長さが感じられるが、データを重視する姿勢は評価したい。2025/04/01

電羊齋

14
中国経済についてはEVなどハイテク分野の大躍進という「光」と不動産不況、社会を覆う悲観論という「影」の一見相反する現象が見られる。本書では中国経済についてミクロ・マクロ視点、短期・中期・長期的視点、業界と市井の声から冷静に分析し、光と影のように相反する現象は、いずれも「供給能力の過剰と消費需要の不足」という中国経済の宿痾に由来しているとする。またその要因として中国政府の供給サイドの効率化に偏重した政策、均衡財政主義的な中央財政と地方分権的な地方財政などの長期的・構造的課題を取り上げているところも読み所か。2025/01/18

はやたろう

13
中国の勢いは、不動産バブルの崩壊で一時の勢いをなくしているという情報は、メディアの報道で聞いていたが、様々な数字や動きを示されると、想像以上にピークアウトしていたことが認識された。今後さらなる苦難が中国経済に降りかかることも予期される。どう乗り切るのか注目したい。2026/01/07

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