ブルーバックス<br> 世界一シンプルな進化論講義 生命・ヒト・生物――進化をめぐる6つの問い

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ブルーバックス
世界一シンプルな進化論講義 生命・ヒト・生物――進化をめぐる6つの問い

  • 著者名:更科功【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2025/01発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065382929

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内容説明

生物は、なぜ進化するのか? 生命40億年の冒険が始まる!

なぜウマの指は1本になった?
獲得した形質の遺伝は存在する?
「共通祖先」は地球最初の生物ではない?
脳は進化の証拠か?
ヒトは進化に抗うことができるのか?

なぜ生物は変わるのか? 進化は進歩ではない! 
『種の起源』・自然淘汰・生物・遺伝子・生命・ヒト――6つのキーワードをもとに、
進化の驚くべきメカニズムと、複雑にも単純にもなりうる生物の多様な姿を解説します。
全生物の「共通祖先」とは? 種の絶滅とは? ヒトは進化途上の生き物なのか?
世界一楽しい進化論講義が始まる!

進化論に関しては、未だに間違った考えがたくさん流布している。「生物は進化することによって進歩していく」、「私たちは進化を目の当たりにすることは不可能である」といった考えだ。これらの誤解について、なるべく簡単に、わかりやすく説明することが目標の一つである。本書にはもう一つ特徴がある。それは、ダーウィンについての態度である。私はダーウィンを歴史上もっとも偉大な生物学者であると考えているけれど、だからといってダーウィンの言ったことがすべて正しいと考えているわけではない。間違いは間違いとして、はっきりと指摘することを心掛けた。<「まえがき」より抜粋>

目次

まえがき
第1講義 進化とはなにか『種の起源』をめぐる冒険
『種の起源』はいかに受け入れられたのか
ダーウィニズムとネオダーウィニズム
進化は進歩ではない。『種の起源』前夜とそれ以降
獲得形質の遺伝は存在する
恐竜の絶滅とダーウィンの誤り
第2講義 自然淘汰とはなにか もっとも曲解されたダーウィンの主張
なぜ生物は進化するのか?
生存に不利な遺伝子が淘汰されない理由
性淘汰と自然淘汰の関係をみる
集団における自然淘汰の働き
生存闘争―地球の定員をめぐる闘い
第3講義 さまざまな生物から進化を考える
化石が証明した進化の道筋は偶然の結果なのか――ウマ
進化の多様性と異形の生物――タリーモンスター
角のあるなしを決めるオスの役割―糞虫
恐竜から鳥にどのように進化したのか――ミクロラプトル
アリの生存戦略と進化する細菌―ハキリアリ
進化の速度を決定するものとは―グッピー
種のいびつな繁栄と絶滅の相関―リョコウバト
第4講義 遺伝子からみた進化論 ヒトはいかに誕生したのか
「ヒトらしさを決める遺伝子」はいつ生まれたのか?
エピジェネティクス、親子の類似性はDNAだけではない
DNAの一致度98・7パーセントのチンパンジーとヒトの血縁度がゼロである理由
近親交配と進化の法則をめぐるジレンマ
私たちは先祖のほとんどからDNAを受け継いでいない!?
第5講義 さまざまな生命現象と進化論
全生物の「共通祖先」は「地球最初の生物」ではなかったかもしれない
「種」に寿命は存在するのか。その出現と絶滅率
宇宙に生物がいるとしたら、どんな形か考えてみると
生命40億年の進化をやり直しても人類は誕生するか
生物と無生物の境目とは。そこから見える不都合な未来
第6講義 ヒトをめぐる進化論
ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった
生物のボディプランと進化の速度
進化論から考えるヒトの寿命を延ばす方法
意識とは何か? シミュレーション仮説に思うヒトの生
ヒトは進化に抗うことができるのか
サルからヒトへ。進化の「ミッシング・リンク」はなぜ見つからないのか
あとがき
さくいん

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

112
いつもながら更科先生の見解は明快。特に「進化は進歩ではない」ことを強調し、自然淘汰説以上に重要なダーウィンの主張だと指摘する。さらに、ヒトを系統樹の頂点の特権階級のように思うのは誤りだとの認識もいつも通りで、「様々な生物から進化を考える」という一章を設けて、グッピーから恐竜にいたるまで多様な生物の進化を紹介している。「私はダーウィンを歴史上最も偉大な生物学者だと考えているけれど、だからと言ってダーウィンがすべて正しいわけではない。ダーウィンの言ったことには間違いが山ほどある」という先生のスタンスはフェア。2025/05/22

まーくん

79
更科功先生は古生物学者。生命の進化に関する一般向け書籍を多く執筆されている。大変わかり易く、広い視野で興味深い切り口で解説してくれるので愛読させていただいている。本書は先生の最新刊。ダーウィンの『種の起源』をめぐり、それが如何に受け入れらて行ったか?偉大なダーウィンの「間違い」にも言及。もっとも曲解された主張「自然淘汰」とはなにか?性淘汰と自然淘汰の関係、遺伝子からみた進化論、全生物の「共通祖先」は?生命40億年の進化をやり直しても人類は誕生するか?など、一足突っ込んだ内容について現代の視点から考察。⇒2025/02/08

tamami

65
著者の本はこれまでにも何冊か手にしていて、進化に関して、最新の知見を得ることが少なくなかった。本書も、ミトコンドリアイブ仮説、ダーウィニズムとネオダーウィニズム、ミッシングリンクの探索、地上最初の生命と共通祖先等々、トリビア的な部分も含めて、既有の知識を更新させられる。ブルーバックスというレーベルの故か、理解に難しい部分もあったが、著者が要約する結論的な部分を記憶にとどめるだけでも意味はあるかもしれない。進化という、地球上で一回しか起こらなかった現象に対して、様々な仮説を提示、推論していく手法は興味深い。2025/07/13

haruka

29
進化をめぐるトリビア集。ミトコンドリア・イブは全人類の母ではない理由や、サルとヒトとの間のミッシング・リンクが決して見つからない理由、有害な遺伝子が淘汰されない理由、私たちのDNAはほとんど子孫に受け継がれない話なんかがおもしろかった。 今の私たちのうち1000年後まで断絶せず続くのは5%もおらず、いたとしても遺伝子情報は希釈されて99.9%以上消えている。 だとしたら自分の血を残すことよりも、生きている中で自身が人に与える影響の方が、社会を変えるという意味では確かに残っていくものと言えるのかもしれない。2025/07/10

テイネハイランド

21
図書館本。著者の本を読むのは5冊目です。web magazine「現代ビジネス」の連載をまとめた本ですが、進化論に関する興味深い話題を(1項目 7-9ページ)簡潔に紹介しています。結構複雑な事柄でもしっかりとわかるように適切に図表を用いて説明がされているのが本書の長所です。「性淘汰と自然淘汰の関係をみる」「エピジェネティクスは遺伝する」「クラウングループとステムグループ」「ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった」などを特に面白く読みました。2025/05/22

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