内容説明
生物は、なぜ進化するのか? 生命40億年の冒険が始まる!
なぜウマの指は1本になった?
獲得した形質の遺伝は存在する?
「共通祖先」は地球最初の生物ではない?
脳は進化の証拠か?
ヒトは進化に抗うことができるのか?
なぜ生物は変わるのか? 進化は進歩ではない!
『種の起源』・自然淘汰・生物・遺伝子・生命・ヒト――6つのキーワードをもとに、
進化の驚くべきメカニズムと、複雑にも単純にもなりうる生物の多様な姿を解説します。
全生物の「共通祖先」とは? 種の絶滅とは? ヒトは進化途上の生き物なのか?
世界一楽しい進化論講義が始まる!
進化論に関しては、未だに間違った考えがたくさん流布している。「生物は進化することによって進歩していく」、「私たちは進化を目の当たりにすることは不可能である」といった考えだ。これらの誤解について、なるべく簡単に、わかりやすく説明することが目標の一つである。本書にはもう一つ特徴がある。それは、ダーウィンについての態度である。私はダーウィンを歴史上もっとも偉大な生物学者であると考えているけれど、だからといってダーウィンの言ったことがすべて正しいと考えているわけではない。間違いは間違いとして、はっきりと指摘することを心掛けた。<「まえがき」より抜粋>
目次
まえがき
第1講義 進化とはなにか『種の起源』をめぐる冒険
『種の起源』はいかに受け入れられたのか
ダーウィニズムとネオダーウィニズム
進化は進歩ではない。『種の起源』前夜とそれ以降
獲得形質の遺伝は存在する
恐竜の絶滅とダーウィンの誤り
第2講義 自然淘汰とはなにか もっとも曲解されたダーウィンの主張
なぜ生物は進化するのか?
生存に不利な遺伝子が淘汰されない理由
性淘汰と自然淘汰の関係をみる
集団における自然淘汰の働き
生存闘争―地球の定員をめぐる闘い
第3講義 さまざまな生物から進化を考える
化石が証明した進化の道筋は偶然の結果なのか――ウマ
進化の多様性と異形の生物――タリーモンスター
角のあるなしを決めるオスの役割―糞虫
恐竜から鳥にどのように進化したのか――ミクロラプトル
アリの生存戦略と進化する細菌―ハキリアリ
進化の速度を決定するものとは―グッピー
種のいびつな繁栄と絶滅の相関―リョコウバト
第4講義 遺伝子からみた進化論 ヒトはいかに誕生したのか
「ヒトらしさを決める遺伝子」はいつ生まれたのか?
エピジェネティクス、親子の類似性はDNAだけではない
DNAの一致度98・7パーセントのチンパンジーとヒトの血縁度がゼロである理由
近親交配と進化の法則をめぐるジレンマ
私たちは先祖のほとんどからDNAを受け継いでいない!?
第5講義 さまざまな生命現象と進化論
全生物の「共通祖先」は「地球最初の生物」ではなかったかもしれない
「種」に寿命は存在するのか。その出現と絶滅率
宇宙に生物がいるとしたら、どんな形か考えてみると
生命40億年の進化をやり直しても人類は誕生するか
生物と無生物の境目とは。そこから見える不都合な未来
第6講義 ヒトをめぐる進化論
ミトコンドリア・イブは全人類の母ではなかった
生物のボディプランと進化の速度
進化論から考えるヒトの寿命を延ばす方法
意識とは何か? シミュレーション仮説に思うヒトの生
ヒトは進化に抗うことができるのか
サルからヒトへ。進化の「ミッシング・リンク」はなぜ見つからないのか
あとがき
さくいん