氾濫の家

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氾濫の家

  • 著者名:佐野広実【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 講談社(2025/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065365670

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内容説明

妻は自分のモノ。子供たちも自分のモノ。金を稼いでくるのは俺なのだから、家族は俺の言いなりにならなくてはならない。

郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。

『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異能のミステリー作家、今度のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!

目次

第一章 事件
第二章 波紋
第三章 拡散
第四章 事故
終章 そして氾濫が

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

153
ここまで不完全が揃った男がいるのが怖すぎる。人として最低過ぎる。だが、この夫の吐いた言葉に思い当たる節はある私だ。ここ迄とは言わないが、昭和ど真ん中に生まれた人なら多少は感じた事があるのでは?だが時は令和。私より下世代の両親がこれか・・よくぞ子供たちが真っ当に育ったものだ(そこ?)共感できることはほとんどないが、妻である妙子の最後の(行きついた)行動を私は否定できない。むしろ遅い!今作のモヤモヤむかむか感をどうしよう・・ハッ、これが氾濫と言うことか?2025/02/13

タックン

110
隣の家で殺人事件が・・・その犯人を目撃してしまった妻・妙子は?とかその殺人事件の真相は?よりもその妻の家族の問題を炙り出した話。 ここまでのパワハラで妻も子供も支配する夫っといのは極端過ぎて閉口した。 でも自分も昭和の人間なので妻や子供を少ないながらも自分の価値観で制限していたのでは?って考えさせられた。 ある意味ショックな話でした。 夫・篤史の勤務する建設会社の再開発で外国人居住地を排斥するって動きは、現在の移民推進の政府とは反対でこの作家さんの政治的背景の認識がずれてる気がした。2025/08/30

ma-bo

107
隣家で殺人事件が起きた。主婦の妙子は不審な人物を目撃していた。被害者は大学教授だった事、一人息子がいた事を妙子は事件を通じて初めて知る。題名の氾濫の家は隣家の事かと思っていたら...自身の家の闇があぶり出される話だった。2025/07/26

ゆみねこ

84
過去に読了したどの本の登場人物より最低最悪の男が出てくる。郊外の住宅地に住む専業主婦の新井妙子は隣家で起きた殺人事件に心が揺れる。平穏そうな大学教授の一家に何があったのか?やがて妙子の家の中でも問題が露わになり、夫のとんでもない闇が。今どきこんな男尊女卑な夫に支配される妻がいるのだろうか?考えることさえ出来なくなるほど洗脳されるのか…うーん。。2025/06/11

itica

83
隣家で起きた殺人事件。それがまさか我が家の崩壊への兆しだとは思いもしなかった主婦の妙子。モラハラ夫、家に寄り付かない子供たちと、外からは伺い知れない歪な家庭。夫にむかつき、妙子に苛立ち、一部不満を溜め込むような読書だった。この家庭の構造が、社会の構造の第一歩だとしたら笑うに笑えない。とても意味深だ。 2025/02/04

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