内容説明
発達に特性のある子どもの学習を手伝う放課後等デイサービス施設「パルマ」で働く夏帆は、愛猫のツムジと一緒に暮らしている。しかし、ある日ツムジが体調を崩し、悪性リンパ腫の診断を下される。子供たちの目に触れないようにすることを条件に、ツムジを施設に連れてくる許可を教室長である大瀬良から得る夏帆だが、不慮の事故で子供たちにツムジが見つかってしまう。余命わずかな一匹の猫とハンディキャップを持つ子供たちの交流を通じて、生きることの難しさと尊さを描く感動作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAOAMI
8
序盤、設定理解に費やすパートの文章が退屈でうまく入れなかった。人物像も描き方がわざと遠まわしな気が。何らかの発達障害を抱える子供たちが通う放課後施設パルマで働く夏帆視点の子供らの成長記録であり、彼女自身の成長にも最終的には繋がっている。そんな展開。愛猫ツムジに悪性リンパ腫が見つかり、施設に連れていく中で子供たちとの交流が始まる。アニマルセラピー的な出来事よりも子供通しの関係性から棘が静かに抜けていくようなソロリとした流れ。自己肯定感の低さが通底する中、夏帆がツムジの死から前向きになっていく姿にホッとする。2025/09/15
ゆり
5
図書館本。犬派なのにいますぐ猫カフェに行きたくなるほど猫の描写が可愛い。現実には放デで飼うのは難しいだろうけど、こんな風に子どもたちにいい影響を与える動物の存在って素敵だなぁと思いました。元気を探す道中でのおじさんや母親たちの嫌悪感や同情、白い目で見られる様子はリアル。偏見にも負けず子どもを信じて、少しでも将来子どもたちの選択肢が広がるように、生きやすいようにと奮闘する放デの先生たちと親の覚悟に最後は泣いてしまいました2025/10/09
しのぶ
3
書名に惹かれ、前情報もほとんどないまま読むことに。「放課後等デイサービス施設」というのをはじめて知ったので、それだけでも収穫だし、ちゃんと確認しなかった自分が悪いのだけど、想像以上に猫の置かれた状況が過酷で読んでてかなりつらかった。それが現実なのかもしれないけど、トラブルの際には「とにかく頭を下げておけ」という対応が正義みたいな描かれ方にも、ちょっとモヤッとしてしまった。大倉山記念館、機会があったら行ってみたい。2025/04/30
太郎
0
★★★★☆2025/02/17