内容説明
ミステリ界の巨匠・横溝正史。本格推理、耽美小説、時代小説など多岐にわたるジャンルで活躍した著者の軌跡を堪能できる傑作十七編を、入手困難な初出誌と初刊本をもとにして執筆順に収録。寄宿舎内で起きた、死体のない殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」。かつて亡き姉と過ごした蔵の中で、少年が遠眼鏡で見たある光景が語られる「蔵の中」。河を流れてきた、胸に短刀が刺さった蝋人形が悲劇の幕開けを告げる、〈由利麟太郎〉シリーズ「猫と蝋人形」。『犬神家の一族』の原点ともいうべき名品の雑誌掲載版「車井戸は何故軋る」。殺人の濡れ衣を着せられた男が隣人・金田一耕助に救われる、「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」。著者没後に発表された、記憶喪失の女性の正体をめぐる「空蝉処女(うつせみおとめ)」などを精選して贈る、珠玉のベスト短編集!/【目次】恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)/河獺(かわうそ)/画室(アトリエ)の犯罪/広告人形/裏切る時計/山名耕作(やまなこうさく)の不思議な生活/あ・てる・てえる・ふいるむ/蔵の中/猫と蝋人形/妖説孔雀樹(ようせつくじゃくのき)/刺青(いれずみ)された男/車井戸は何故軋る/蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)/蜃気楼島(しんきろうとう)の情熱/睡(ねむ)れる花嫁/鞄の中の女/空蝉処女(うつせみおとめ)/編者解説=末國善己
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
59
(2025-99)【図書館本-75】高校生の頃熱心に読んだ横溝正史だが、短編集を読むことはあまりなかった。「恐ろしき四月馬鹿」は彼のデビュー作。学生らしい遊び心のあるトリック。「画室の犯罪」は短編なのに見事などんでん返し。タイトル作「車井戸は何故軋る」は後の作品である「犬神家の一族」にもそのモチーフが使われている。「蜃気楼島の情熱」「鞄の中の女」など金田一耕助シリーズの短編もある。100年以上も前に書かれた作品もあるので、文体や設定などは古さを感じるが、やはり横溝正史ミステリは面白い。★★★★2025/07/17
だるま
19
著者は乱歩と良く比較されがちだが、乱歩の短編には傑作が結構あるのに対して、横溝正史の短編にはこれと言った代表作が無く、長編ばかりが取り出されていた。その著者の傑作短編集を編んだのが本作。金田一物の短編集は割とあるが、全短編の中での傑作集は初めて読んだ。デビュー作の『恐ろしき四月馬鹿』から、著者没後に発表された『空蝉処女』までの全17編。ほぼ未読だった事もあってなかなか面白かった。『犬神家の一族』の縮小版の様な表題作が良かったし、金田一が出る作品は安心して読めた。私の短編ベストの『百日紅の下にて』は未収録。2025/04/17
うさ
3
表題作は昔読んだことがあるんやけど忘れてるし他の短編も読んでみたくて借りたんやけど、古典にどうこう言うことはないわな~(笑) 17も話が入ってるから短編集と言っても読み終わったら、かなりお腹いっぱいや~お好きな人はどうぞって感じやな(笑)2025/07/11
海さん
2
何度か読んだけど「蔵の中」好きだなー。どれも面白いけど「蝙蝠と蛞蝓」が特に痛快だった。2025/06/19
ankowakoshian11
2
読了。面白かった、堪能。2025/04/13
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