内容説明
フロイトの慧眼は人間論にある。人間の欲望と不安に関するフロイトの深い洞察にこそ、普遍的な人間性の本質がある。人間性に関するフロイトの理論――幼児性欲論やエディプス・コンプレックス、リビドー論、去勢不安など――は独特な仮説で、科学的に証明できない。だがその理論が指し示す現象の意味を吟味し、仮説の裏側にある本質を考察するという「本質学の観点」から諸理論を捉えなおせば、現代的な意義が明らかになり、見過ごされてきたほんとうのフロイト像が見えてくる。
目次
序章 精神分析の世紀/フロイトの時代/精神分析は科学的に証明し得るのか? /事実と本質の区別/フロイトの人間論/新時代のフロイト像/本書の構成/第1章 心の治療の革命家──精神分析のはじまり/催眠療法と無意識/アンナ・Oの症例/ヒステリー研究──ルーシーの症例/抑圧と抵抗の発見──エリザベートの症例/性的誘惑がヒステリーの原因? /自己分析1──夢分析とエディプス・コンプレックス/自己分析2──転移と抵抗の発見/精神分析の隆盛期へ/欲動理論の修正──後期フロイト思想へ/晩年のフロイト/第2章 無意識のはたらき──前期における無意識の考察/無意識の発見/欲望としての無意識/症状として現われる無意識/錯誤行為に現われる無意識/夢に現われる無意識/イルマの注射の夢/夢の作業/無意識の力動性/第3章 欲望の精神分析──中期における性欲論の展開/性の問題への関心/性的欲望とは何か? /口唇期と関係のよろこび/肛門期と社会性の発達/よろこびの拡大と価値判断の普遍性/男根期のエディプス・コンプレックス/去勢コンプレックス──症例「ハンス」/女児のペニス羨望/二者関係から三者関係へ/母親の語る第三者──去勢威嚇の意味/第三者の視点と価値判断/第4章 自己の精神分析──後期における自我論の確立/性欲論から自我論へ/フロイトの自我心理学/第二局所論における心の構造/自我理想と自己価値/「~しなければならない」のはなぜか? /内的な自己ルール/第三者の意識とメタレベルの視線/自己価値の追求/欲動論の本質/人間的欲望の変遷/第5章 神経症とは何か?──精神病理の本質/人間論から精神病理論へ/神経症と性倒錯/リビドーと退行/症例「狼男」/症例「ドラ」/不安から捉えた神経症/不安の本質と精神疾患/自己ルールの歪み/心の病とは何か? /第6章 精神分析とは何か?──心の治療と技法の本質/精神分析の治療方法/転移と行動化/逆転移と無意識の交流/エス分析と自我分析/無意識の現象学/身体からの気づき/他者からの気づき/自己了解は何をもたらすのか/精神分析療法の本質/欲望の葛藤の分析/第7章 人間とはどのような存在か?──解釈の妥当性をめぐる二つの視点/幻想としての無意識/解釈に普遍性はあるのか? /一般的他者の視点から解釈を検証する/ラカンと「大文字の他者」/一般的他者の視点の形成/心理療法の多様な人間像/フロイトの人間理解/自由と承認の葛藤/終章 現代社会におけるフロイト思想/フロイト以後の精神分析/現代精神分析の最前線/分析家の主観性と解釈の妥当性/二者関係のリスクと有効性/フロイトは反理性主義者か? /近代社会と文化への不満/抑圧からの解放が自由なのか? /時代を見据えたフロイトの理論/二十一世紀に活かすフロイト思想/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ankowakoshian11
らむだ
Go Extreme
-
- 電子書籍
- ヤンキークエスト 13 コミックヘヴン
-
- 電子書籍
- ノウハウサロンで会いましょう
-
- 電子書籍
- あんたたちの伝説
-
- 電子書籍
- エンジニアのための図解思考 再入門講座
-
- 電子書籍
- 三毛猫ホームズの暗闇 角川文庫




