ちくま新書<br> 東アジア現代史

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ちくま新書
東アジア現代史

  • 著者名:家近亮子【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2025/01発売)
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  • ISBN:9784480076670

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内容説明

「日本」「中国」「朝鮮」諸国を擁する東アジア世界は「鎖国」の終焉と共に近代化を迫られた。西洋列強の外圧の中で、植民地化や二度の大戦を経て、二一世紀の現代、劇的なまでの経済発展を達成している。一方で中国と朝鮮半島には今なお冷戦構造が残り、約二百年にわたるこれまでの歴史は、少子高齢化や安全保障にかかわる難問を投げかけている。協調と衝突を繰り返し突き進んできた過去を振り返り、未来につなげるための一冊。

目次

はじめに/第1章 東アジアの地域的特徴/1 地域としての東アジア/2 東アジアの位相問題──中華の復興/3 近代以前の東アジア/中華思想と東アジア──学び舎としての中国/豊臣秀吉の朝鮮出兵と東アジア/東アジアの制限的対外政策の特徴/第2章 明治維新から日清戦争へ/1 近代以降の東アジアの国際関係/「西洋の衝撃」と東アジア/アヘン戦争と東アジア/2 日本の明治維新と東アジア/日本の開国/明治維新──アジア近代化のひな形/3 福沢諭吉の「脱亜論」と朝鮮・中国の改革運動/福沢諭吉の「学問のすすめ」/朝鮮の改革運動挫折と「脱亜論」/4 洋務運動と日清戦争──東アジアにおける華夷秩序の崩壊/洋務運動/日清戦争──戦争の原因・経過・下関条約/台湾の領有──植民地支配の開始/5 日清戦争後の中国/変法運動/義和団事件/西太后の制度改革と留日ブーム──「学び舎」としての日本/第3章 韓国併合・辛亥革命と東アジアの変動/1 韓国併合──植民地支配と抵抗の開始/日清戦争後の朝鮮情勢/日露戦争と東アジアの国際関係/韓国併合/2 辛亥革命──アジアで初めての共和国・中華民国誕生/背景・清朝の体制内改革の失敗──「明治憲法」と「欽定憲法大綱」/孫文と辛亥革命/辛亥革命と中華民国臨時約法/辛亥革命と日本/第4章 第一次世界大戦・ロシア革命と東アジア/1 第一次世界大戦と「対華二十一カ条の要求」/第一次世界大戦と日本の参戦/「二十一カ条」と排日運動の展開/2 ロシア革命とウィルソンの民族自決主義の東アジアへの影響/ロシア革命と東アジア/アメリカの台頭/ロシア革命・民族自決主義の東アジアへの影響/3 三・一運動と五・四運動/三・一運動/五・四運動/4 中国共産党の成立と国民革命の展開/中国共産党の成立/第一次国共合作と国民革命、全国統一/第5章 日中戦争への道/1 第一次世界大戦後の世界情勢と東アジア/アメリカの繁栄とワシントン体制/2 日本の不況と世界大恐慌/大正デモクラシーの展開/日本の不況と世界大恐慌/3 日本の軍事侵攻──済南事件と満洲事変/済南事件と反日団体の組織化/張作霖爆殺事件から満洲事変へ/4 日本の軍国化──暗い昭和への道/五・一五事件/二・二六事件/5 西安事件──抗日の全国化・組織化/原因/西安事件とその影響/第6章 日中戦争──戦争の東アジア(1)/1 世界の中の日中戦争──国際社会は日中戦争をどのように見ていたのか/なぜ、「歪な戦争」「宣戦布告なき戦争」だったのか/戦争か、紛争か/2 日中戦争の開始──盧溝橋事件から南京事件まで/盧溝橋事件/上海戦/南京事件/3 日中戦争の展開と諸相──持久戦へ/4 戦時下の東アジア社会/日本/中国/朝鮮と台湾の戦時体制/5 太平洋戦争への道/第7章 太平洋戦争──戦争の東アジア(2)/1 日中戦争のグローバル化/2 中国の国際的地位の向上/連合国共同宣言/中国の国際的地位の向上──「世界四強の一」へ/3 太平洋戦争勃発後の東アジア/皜介石の戦後構想/4 戦後構想をめぐる中国とイギリスの対立/皜介石のインド訪問/朝鮮独立問題/カイロ会談と宣言/5 ヤルタ会談とその協定/第8章 東アジアの終戦と戦後処理/1 太平洋戦争の拡大と「大東亜共栄圏」/「東アジア広域ブロック化」構想の破綻──「大東亜新秩序」「大東亜共栄圏」という国策/太平洋戦争のアジアへの拡大──アジア太平洋戦争の諸相/2 戦時下の東アジアの情勢/中国情勢/日本情勢/朝鮮・台湾情勢/3 終戦への道/沖縄戦/ポツダム宣言/原爆投下/ソ連参戦/4 日本の終戦と東アジアの再編/ポツダム宣言受諾/中国の終戦/朝鮮の終戦/台湾の終戦/5 GHQによる占領統治と東京裁判・日本国憲法の制定/GHQによる日本統治/東京裁判(極東国際軍事裁判/The International Military Tribunal for the Far East)/日本国憲法の制定/第9章 中国の内戦と朝鮮戦争/1 中国における内戦──分断国家への道/国共の対立──情報戦の展開/双十会談から国共内戦へ/皜介石の戦後直後の対日政策/2 朝鮮半島の分断化/3 中国の分断化──中華人民共和国の成立と中華民国の台湾移転/国共内戦の展開/中華人民共和国の成立と中華民国の台湾移転/4 朝鮮戦争/5 日本の国際社会への復帰と東アジア/吉田内閣の成立/冷戦構造下の「日華平和条約」の締結/第10章 日本の高度成長と東アジア/1 日本の高度成長/日本社会の変容/高度成長社会の出現と五五年体制の確立/2 日本と中華人民共和国の民間交流/日中関係四団体の結成と活動/日本・人民共和国、民間交流・民間貿易の開始/3 中国の文化大革命と東アジア/中華人民共和国──新民主主義論から社会主義へ/自治区の誕生/社会主義建設/経済調整期──改革・開放政策の萌芽/4 中華民国(台湾)/5 朝鮮半島情勢/大韓民国(韓国)/朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)/第11章 日中国交正常化と東アジア国際関係の変容/1 米中接近と中華人民共和国の国連加盟/中ソ対立の激化/米中接近/周恩来外交の結実/2 日中国交正常化と台湾との断交/田中角栄訪中までの道/田中訪中と日中共同声明/3 文化大革命の収束と東アジア/文化大革命の収束と第一次天安門事件/東アジア諸国・地域の変容/第12章 東アジアの経済発展──政治と社会、相互関係の変容/1 中国──改革・開放の時代へ/文化大革命の終結と華国鋒の登場/鄧小平の権力掌握/改革・開放政策の始動/2 改革・開放政策の開始と東アジア/日中平和友好条約の締結/日本の対中援助と改革・開放政策の推進/中国の改革・開放政策の開始と東アジア/3 第二次天安門事件とその影響/「北京の春」と民主化運動/胡耀邦の死と第二次天安門事件/第二次天安門事件の影響/第13章 共通化する少子高齢化問題/1 世界の人口問題/2 東アジアの人口問題/日本/中国/韓国/台湾/第14章 教育・格差問題/1 格差社会──東アジアのジニ係数の推移/中国の格差問題/格差の要因としての教育、人口、戸籍問題/高等教育の普及と就職難問題/2 東アジアの格差問題/日本/韓国/台湾/第15章 対立と共存関係の行方──歴史認識・領土をめぐる対立/1 現代東アジアの国際関係──恒常的対立の形成/日本の中国への援助、歴史認識問題の政治化/歴史認識と歴史認識問題/歴史認識問題の政治化──新たな教科書問題・日本からの反発/靖国神社参拝問題/東アジア各国・地域の歴史認識/領土をめぐる対立──尖閣諸島問題を中心にして/2 東アジアの現状と今後/複合的対立要因の存在/複合的相互依存の関係/あとがき/参考文献/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

20
鎖国から植民地化、幾度もの戦争を経て今なお残る冷戦構造。近代化以降の東アジア地域の協調と衝突を繰り返し突き進んできた過去を振り返り、未来に繋げるための1冊。鎖国の終焉と共に近代化を迫られ、植民地化や二度の大戦を経て劇的なまでの経済発展を遂げた日本、中国、朝鮮。アヘン戦争後の状況を見て西洋の技術に学んだ日本、韓国併合や辛亥革命から日中戦争・太平洋戦争への道、戦後処理と中国内戦・朝鮮戦争、経済発展と共通する少子高齢化・教育格差問題など、お互いに刺激し合いながら発展してきた関係性を改めて浮き彫りにしていました。2025/02/18

さとうしん

17
「現代史」とあるが、19世紀の「西洋の衝撃」以後の近代史の内容も扱う。個別の内容には食い足りない部分もあるが、触れなければいけない事項は一通り揃っており、日本も含めた東アジア地域の近現代史を概観し、歴史認識問題、台湾問題などについて考えるうえでの土台とするには充分だろう。歴史認識問題は通史部分で経過を押さえるほか、終盤で改めて議論されている。各国の人口問題や格差問題にも紙幅を割いているのが特徴か。2025/01/28

みなみ

8
分厚い本だったので最初は知りたい部分をピックアップして読もうと思ったが、やはり最初から読んでみた。とうぜん、時代は繋がっているので、全て通して読んだほうがいい。戦時中の共産党と国民党の国際社会での立ち位置の変化や、日本の戦後の台湾・中国との関係など、あまりよく知らなかったことがわかってとても勉強になった。また現代では東アジア共通の課題として少子高齢化がある。人口抑制政策をやると男の子を欲しがるのは中国も韓国も同じ。やはり家父長制なんだな。2025/08/06

お抹茶

3
日中を中心にダイナミックな歴史を描いていく。著者が言うとおり一国史では描けない。近代以前の東アジアは制限的な対外政策をとっていたが,日本は精力的に貿易と情報収集を行い,中国の中華思想は平等な国家関係の確立を目指していた西洋諸国との摩擦を起こす。二・二六事件による天皇を中心とする軍国化と抗日運動の全国化は東アジア全体を巻き込む。同年の西安事件も重大な事件。日中国交正常化交渉での最大の問題は米中同様,台湾問題。経済発展と高学歴社会を実現し女性の社会進出も進んだが,旧態依然した家族主義というのは東アジア共通。2025/03/14

Go Extreme

3
歴史的背景: 地理的近接性ー近距離に位置→相互依存 心の距離ー人々の心の距離は遠い 近代化の速度の違い: 日本の近代化ー西洋列強を模倣・産業革命→近代化推進 中国と朝鮮ー伝統的支配体制を維持→日本の対外拡張政策に巻き込まれた 冷戦の影響: ソ連とアメリカの勢力争い→緊張 歴史的な封鎖ー西洋の衝撃で開国 洋務運動と変法運動: 洋務運動の発展ー外国からの介入 変法運動ー 清朝末期・日本留学 日中戦争: 国共内戦勃発 戦後政治的緊張 現代の経済と社会: 経済力の増大 社会的課題ー教育の格差や少子高齢化・環境問題2025/01/29

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