内容説明
アメリカのハイスクールに通うマリンのお気に入りの先生は、「文学」クラスのベックス先生。ベックス先生に憧(あこが)れているのはマリンだけじゃない。親友のクロエもだし、たぶん、全女子が憧れている。かっこいいし、クラスの男子より(当然だけど)大人だし、先生っぽくないし、普通(ふつう)にアリ。特にマリンはベックス先生に、みんなよりちょっとだけ気に入られているっぽいこともうれしかった。ーーただそれだけのはずだった。ある日の帰り道、本を借りるためにベックス先生の家によると……世界的大ヒットドラマ『Sex and the City』の原作者が贈る青春フェミニズム小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
84
YA。フェミニズム▽前半はアメリカン1軍女子のスクールライフで、正直苦手ジャンルだと辟易しながら読んだ。人気者のイケメン教師に憧れてのこのこマンションまでついて行ってキスされて「そんなつもりじゃなかった」とかマジありえねって。でも後半、自分でも世の中の矛盾に気づいて行動を起こし、周りの大人たちが「絶対に教師が悪い」と守ってくれた展開がとてもよかった。訳者あとがきと、フェミニスト・ブッククラブの課題本が良い。原作は映画『セックス・アンド・ザ・シティ』を書いた人。2024.10刊2025/05/10
たまきら
38
埋没したくないけれど、オリジナルすぎてもとけこめない。集団生活って、本当に地獄のような気分になるときがある。友人トラブルで部活を退部し、今も苦しんでいる娘。自分で乗り越えないといけない壁だけど、やっぱり親としては色々言いたくなってしまう…。だって、オリジナルのままでいてほしいし、辺に迎合してグルーミングされてほしくない。とんがっている人間のままでいてもいいと思っているから…ルールとは違っていてもね。2024/12/22
chiaki
24
アメリカのハイスクールスチューデントガールが社会に蔓延る男女間の不平等や差別に切り込む。人生を乗り切るため、女子には暗黙のルールがありすぎる。10代の眩しさは武器ともなるけど、盾となるにはあまりに弱い。そしてその眩しさゆえに守らないといけないガイドラインが多すぎる。女子のルールに乗っ取って生きることは、本当に生きやすいと言えるのか?疑問を叫ぶことは、声高なのか?それは過激なフェミニストなのか?記事にて問題提起し、些細なやりとりに悩むマリンの背中を押したクレイン先生の存在があたたかい。立ちあがれ、若き者よ!2024/12/01
雪丸 風人
16
心と体のアンバランスに危うさがつきまとう世代に激推しの一冊ですね。主人公は校内新聞を編集するアメリカの優秀な高校生。素敵な先生に夢中になっていた彼女が、残念すぎる現実に直面して、苦悩し、辛酸をなめた末に、まぶしい未来を掴んでゆきます。つらいとき、気持ちに寄り添えるかどうかが重要だとあらためて認識しましたね。ピンチのときの親の振る舞いには共感しかなかったな~。男から見てもカッコいい彼氏は包容力がハンパなくって全男子が見習うべき。ヤバイほど爽快なストーリーから目をそらすな!(対象年齢は13歳以上かな?)2025/05/10
長くつしたのピッピ
12
ティーンエイジャーに限らず憧れの人にはつい媚を売ってしまいがち。けれども,大人はそれをまともには受け取らない。ところがこの教師は生徒のそんな思いを利用し搾取した。一方は未遂で終わるが告発したら保身に走り、憧れの大学進学も妨害される。教師と生徒の関係に限らず強い立場の人間からのハラスメントと似ている。ジェンダーを声高に叫ぶよりも自分の気持ちを大切にしてNOと言える勇気が古来から続く女子はかくあるべきと言う概念を覆すキーワード。思いやりも優しさも,男女問わず持ち合わせていて、そこに女らしさが入る余地はない。2025/05/17
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