内容説明
アメリカのハイスクールに通うマリンのお気に入りの先生は、「文学」クラスのベックス先生。ベックス先生に憧(あこが)れているのはマリンだけじゃない。親友のクロエもだし、たぶん、全女子が憧れている。かっこいいし、クラスの男子より(当然だけど)大人だし、先生っぽくないし、普通(ふつう)にアリ。特にマリンはベックス先生に、みんなよりちょっとだけ気に入られているっぽいこともうれしかった。ーーただそれだけのはずだった。ある日の帰り道、本を借りるためにベックス先生の家によると……世界的大ヒットドラマ『Sex and the City』の原作者が贈る青春フェミニズム小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
37
埋没したくないけれど、オリジナルすぎてもとけこめない。集団生活って、本当に地獄のような気分になるときがある。友人トラブルで部活を退部し、今も苦しんでいる娘。自分で乗り越えないといけない壁だけど、やっぱり親としては色々言いたくなってしまう…。だって、オリジナルのままでいてほしいし、辺に迎合してグルーミングされてほしくない。とんがっている人間のままでいてもいいと思っているから…ルールとは違っていてもね。2024/12/22
chiaki
23
アメリカのハイスクールスチューデントガールが社会に蔓延る男女間の不平等や差別に切り込む。人生を乗り切るため、女子には暗黙のルールがありすぎる。10代の眩しさは武器ともなるけど、盾となるにはあまりに弱い。そしてその眩しさゆえに守らないといけないガイドラインが多すぎる。女子のルールに乗っ取って生きることは、本当に生きやすいと言えるのか?疑問を叫ぶことは、声高なのか?それは過激なフェミニストなのか?記事にて問題提起し、些細なやりとりに悩むマリンの背中を押したクレイン先生の存在があたたかい。立ちあがれ、若き者よ!2024/12/01
鹿ノ子
4
装丁があまりにもピンクなので、敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、読んでみてほしい。本当に面白かった。共著者の一人キャンディス・ブシュネルさんは大人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の原作者だそうで、どうりでテンポの良い会話で読みやすかったです。空気を読んで「愛され女子」でいる必要なんかない。女子も男子も、もちろん大人も、理不尽なこととは闘わなくっちゃね。2024/11/22
Incisor
3
マリンはトップ大を目指す優秀な生徒。同じ新聞部の親友、ラクロス部の彼氏。ところが憧れの教師とのあいだの出来事に、深く傷つき、高校生活は大きく揺るがされる。打ちのめされながらもマリンが見つけた気づきが「ガールズ・ルール」。女子であることへの、内からの、外からの圧力。ルールにしたがっていれば安泰、ルールの存在すら無意識。でも、何も考えずにルールを守っていると、結局自分を守れなくなるおそろしさ。その思いを学校新聞で記事にし、親友や彼氏など周囲との関係が変化しようとも突き進んでいったマリンに大きな拍手を送った。2025/01/10
まめむぎ
2
アメリカのハイスクールで平均的な学校生活を送るマリン。とある事件がきっかけで、自分に求められた役割に気付く。同じことをしてるのに、女子と男子で周りの反応が違うなどなど、うんうんと思うことがたくさんでてきました。表現や感情の動きなど外国文学独特の言いまわしでちょっと慣れるまでかかるけど、最後まで気になって読んでしまった。自分の評価を下げてでも、「それはおかしい!」と声を上げたマリンの勇気に拍手。2025/01/16