内容説明
ふと何かを思いつき、考えた末に決断する。結果、喜んだり後悔したり……。
これらはすべて、脳の働きのおかげである。
そうだとすると、脳活動を読み解くことができれば、その脳の持ち主の思考や感情を読み取れるのでは?
そして、思考や感情の主体である「わたし」とは何かについても明らかにできるかもしれない。
本書は、脳画像研究の方法から最新の成果までを紹介。
脳科学によって、未来はどう変わりうるのだろうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inami
20
◉読書 ★3 まえがきに、「まずは、私たちの意識、意思、そしてそもそもこの『わたし』といはいったい何なのだろう、という問題です」とあり、まさに自分自身疑問に思っていることだ。この問いかけに答えてくれそうな学問は哲学、心理学、社会学、あるいは進化論ということになるのか・・。本書はいろいろな実験に基づく脳の活動(領域)、仕組み、物質現象、遺伝等との関係について述べられている。宇宙は原子などの物質を全部集めても宇宙全体の5%にしかならない(分かっていない)が、小宇宙と言われる脳もあまり解明されていないようだ。2020/10/19
あっきー
12
✴3 自我は虚構です、でもこれがあるからこそ私たちは(目の奥の)わたしがこのものを見ているという実感を抱く、この神経細胞が異常な活動をすると幽体離脱や自己像幻視が起きると脳機能から説明している、思考し行動する主体としてのわたしとはドーパミンという化学物質によって実体化された報酬情報に過ぎない幻なのかもしれないとは面白い、理解度は中途だが統合失調症、トロッコのジレンマ、遺伝と環境など他の本でよく見る話題も取り上げていて、得るところが多かった2019/08/10
孤独な読書人
8
様々な実験データから心と脳の関係を紐解いていく。2016/08/15
羊山羊
6
脳科学の事を知りたくて読み始めた一冊。人間の脳が、以下に複雑に領域を形成して活動しているのかをすごくよくまとめた良著。また、人の脳が訓練を通して、成人後も後天的に成長してゆくこと、逆に遺伝子によって先天的に決められていることがある可能性もあることなど、功罪両面をしっかり述べていて目からウロコな1冊。ただ、読むうちにやはり、科学技術の進化とともに、優生学や他人の心が科学的に読めてしまうことなどに警戒しなければならないな、という警鐘が鳴りまくっている1冊でもある。良い本でした。2018/09/25
がりがり君
5
視覚野に入れられた情報は、一回前頭前野を通ってもう一度視覚野に戻される。そうして初めて意識に昇る。/心霊写真の仕組みが面白い。前頭前野に行くまでの信号で脳の顏領域を通らなければ顔には気が付かないのだが、前頭葉から信号を戻す時に顏領域に信号が送られてから視覚野に戻ると顔だと気が付く。一度気が付いてしまえば顔にしか見えなくなる。/ところで前頭葉の皮質の厚みと知能には相関があるらしい/IQが高い人の前頭葉はゆっくりと発達する/しかし双子の研究から二人の前頭葉の形は瓜二つであることがわかっている。2019/12/22
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