内容説明
ついに読める! 火村英生 幻の事件
都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。
死体にはなぜか砂が撒かれていて……。
奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、
これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、
〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に!
すべて単行本未収録。
江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。
【目次】
女か猫か(☆)
推理研VSパズル研(☆)
ミステリ作家とその弟子
海より深い川(★)
砂男(★)
小さな謎、解きます
☆……江神二郎シリーズ
★……火村英生シリーズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
125
楽しめた一冊。単行本未収録の火村&アリスシリーズ、江神シリーズ、ノンシリーズからなる6篇。なんとも豪華な詰め合わせに読む前からテンションが上がった。お馴染みの彼らに出会う喜びと共に文字を追えば確実に口角上がる幸せ感。「推理研VSパズル研」は特にEMCメンバーが謎解きを楽しんでいる姿がたまらないし、せつなさ優しさのラストが好き。「ミステリ作家とその弟子」はオチまで効いてる。「海より深い川」は時代と真相の絡み合いがせつなさ運び、表題作は都市伝説の絡みが面白く、謎解きもヒムアリの癒しも楽しめた満足感でいっぱい。2025/05/30
aoringo
80
単行本未収録の短編を集めたもの。江神、火村、ノンシリーズ、六篇の内でお気に入りは火村先生が探偵役の『海より深い川』と『砂男』。どちらも時代に合わなくなったためこれまで文庫化されなかったそうだけど、日の目を見れて良かった。表題作の砂男は都市伝説と殺人事件を絡ませていて、重くて暗い雰囲気を楽しめた。これだけでも読む価値がありました!2025/05/12
涼
79
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/01/post-3c8cd4.html 【推理研VSパズル研】は、久々に江神さんの冴えた推理を楽しめました。2025/01/31
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
76
(2025-19)「オール読物」に掲載された作品をまとめた文庫オリジナルの短編集。「推理研VSパズル研」はサークル同士のちょっとした会話がきっかけで、パズル研の出した問題を推理研が解くことに。ミステリーとパズル、謎を解くという事では趣味が同じように思えても興味のある事は異なる。有栖川さんの短編は、時々事件じゃなくてこういう純粋な謎解き話もあって面白い。著者がいう通り一冊で江神シリーズと火村シリーズの両方を一度に楽しめる本って最初で最後なのでは?ファンには嬉しい一粒で二度美味しい本でした。★★★★2025/02/06
yukaring
75
火村先生や江神先輩の切れ味抜群の推理を楽しめる嬉しい1冊。学生アリスシリーズのほのぼのした空気感は日常の謎にとてもよく合う。密室で引っ掻き傷をこしらえた男性。犯人は「女か猫か」パズル研に論理パズルで挑戦された推理研。謎を解くだけでは面白くない。その問題の背景まで解き明かしミステリとして完結させる江神先輩の名推理「推理研VSパズル研」特に面白かったのは表題作。都市伝説“砂男”を調べていた学者が殺され、死体に砂が撒かれていたのはなぜか?この奇妙な事件へ火村先生とアリスが挑む「砂男」どれも味わい深い6編だった。2025/02/05