内容説明
世界は「粒」でできている!
砂時計の不思議をめぐる探究は、やがて雪崩や縞模様、果ては満員電車や交通渋滞のメカニズムの解明へと至り着く。異なるものたちのあいだに共通の法則を見出し、研究の最前線と日常生活を往還する物理学の「本当の面白さ」を伝える、自身第一線で活躍する著者による、絶好の入門書。
【本書の主な内容】
[満員電車]乗り降りをスムースにするには、ドアを大きくする? 数を増やす?
[渋滞]発生の秘密は「1/fノイズ」にあった?
[縞模様]砂漠の風紋はシマウマの縞に通ず?
[山]麓より頂に重い砂粒が集まるのはなぜ?
[砂丘]「三日月」に「星」……砂が風に飛ばされただけでなぜこんな地形が?
[ピラミッド]その威容は、砂にはない「不自然」な角度のおかげ?
[生命]粉粒体の縞々と生命の誕生は同じ原因?
【目次】
はじめに
第一章 流れ落ちる
第二章 吹き飛ばされる
第三章 かき混ぜられる
第四章 吹き上げられる
第五章 ゆすられる
第六章 粉粒体とは何か
おわりに
参考文献ガイド
学術文庫版へのあとがき
(*本書の原本『砂時計の七不思議』は第12回講談社科学出版賞受賞)
目次
はじめに
第一章 流れ落ちる
第二章 吹き飛ばされる
第三章 かき混ぜられる
第四章 吹き上げられる
第五章 ゆすられる
第六章 粉粒体とは何か
おわりに
参考文献ガイド
学術文庫版へのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
samandabadra
4
砂時計の砂が落ちるのには少なくとも砂の6倍の大きさの穴が必要だという話から、流体とも個体の動きとも違う砂時計の砂のような物質の性質に関していろいろと語られている本で、砂のような形状のものでも改めて新しい学問領域として重要なんだなということを認識した次第2025/06/14
DK-2084
3
★★★★☆2025/03/30
もちお
2
粒が流体みたいな振る舞いをする。素粒子物理学みたいな夢とロマンあふれる内容ではなく、身近な砂粒みたいなものがたくさん集まったときに見せる、一見不思議な「振る舞い」が扱われていて、それはそれで面白い。そんな身近な、古典物理学で充分扱えるはずの対象ながら、まだ分からないことだらけ。その「理解」に計算機シミュレーションを使って、現象を再現するのだが、本当に「理解」したことになるのだろうかという話となる。文庫版後書きで語られる壮大な話にはニンマリさせられた。2025/02/08
Go Extreme
2
ホッパーの特性: 側壁圧力は高さに依存しない 出口にバイプを付けると流出速度が増加 出口の直径が粉粒体の直径の6倍以下だと流れ出ない 粉粒体の流れ: 流出速度は周期的に変動・出口の直径の2.5~3.0乗に比例 粉粒体は部分的な流れや固まり形成 砂時計の挙動: 水と異なり特殊な流動特性 可視化実験・ガラスや金属球を用いた研究 自然災害: 雪崩や土砂崩れ・粉粒体の特性により発生 雪は流体的な性質を持つ 分離と混合のメカニズム: 流れる際に大きな粒子が上・小さな粒子が下に留まる 粉粒体の分離メカニズム2025/02/06
Mits
1
タイトルはたぶん「ロウソクの科学」を意識してのものだが、砂時計の話というよりも粉粒体の不思議についての本である。化学におけるメソスケールと同じように、物理にも小さいものと大きいものの間によくわからない領域があるらしい。本自体は30年前に書かれたものだが文庫版のあとがきよ読む限り、大きなブレイクスルーがあったとは書かれておらず、やはりまだ理論化はされてないのかもしれない。2025/05/01
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