内容説明
「社会や政治に無関心な若者」は、こうして生まれたー
「慰安婦」の文字が教科書から消され、戦争における加害の歴史を学ばなかった。
性教育がバッシングされ、激しいジェンダーバックラッシュが起こった。
生きづらさを自己責任で丸め込まれ、「ゆとり」や「さとり」と後ろ指をさされる。
第2次安倍政権下で義務教育期を過ごしたかれらは、当時の政治や教育にどう影響され、何を感じてきたのか。生まれ育った1994-2024年の政治、教育、文化、社会の動きを年表で振り返るとともに、若者たちの声を聞く1冊。
目次
はじめに
戦争
政治
若者と戦争と政治
誰が酔いしれているのか 武田砂鉄
年表 1994(平成6)年~2024(令和6)年のできごと
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
8
湯川れい子さんの投稿への「批判」を機に、戦争体験の継承が話題になっている。本書は20代50人の「戦争と政治」に関する発言集。若者たちは、SNSを通じて紛争の惨状を目の当たりにし、戦争を「身近な危機」と感じる一方、政治は「自分たちから遠いもの」と捉える。戦後80年が経過し、戦争が実体験が「歴史」へと変わりゆく今、記憶の風化以上に、戦争と政治の密接な関係が直視されない現状に危機感を覚える。本書に記された若者の生々しい声は、今後の戦争体験の継承のあり方を再検討するための重要な出発点となるように思う。2026/02/26
二人娘の父
7
サンプル50人とは言え、リアルで貴重な20代の声。ちょうど自分の二人の娘と同世代の若者たちが、戦争や政治についてなにを思うのかを、知る手掛かりとして。改めて驚いたのは現場の教員の姿勢。形式的な「中立」にこだわり、政治や社会運動から子どもたちを遠ざけていく。文科省の狙い通りだ。同時に若者ならではの鋭い感性も散見される。ただ確実に何かを「抜き取られている」と感じてしまうのは、私の邪推であろうか...。2025/10/29
slowpass
6
戦争と政治は、個々人にとっては自分からは遠くはなれて扱えるものなどではない巨大な機構の運動とシステムのようなものと思う。自分は人間は等身大をこえたものを経験したり実感できないと考えるため、昔にただ戻っただけならろくでもないことがいっぱいあると思うが、等身大の人たちがかかわるものすべてに責任をもちあい一人一人に輪郭があるちいさな社会環境と現在を比較するなら、大きく間接化されてしまったこの社会環境の状況自体は一人一人より大きなシステムがまず先にある点で人間の主体が奪われた文化の後退状況でもあるだろうと思う。2025/04/09




