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内容説明
日本美術史の流れには、大きな波がある。外来文化をひたすら取りいれ真似する時代と、それを熟成させる時代と。ほっそりした飛鳥仏も、ハッタリの天守閣に合う金箔べったりの屏風絵も、すべての名作は、そうした繰り返す時代の波の中から、登場してきた。楽しくて目からウロコの知識満載。役に立つコラムに、カラー図版多数。
目次
はじめに──日本美術史の波/0 仏教伝来以前──何を拝んでいたか? /見えない神々/コラム0‐(1)土偶と埴輪/箸墓伝説/神の姿を形作らない/仏像を見てびっくりする/コラム0‐(2)神の姿を形作らない宗教/1 飛鳥時代の仏像──どうして細い? /聖徳太子のために/アルカイックスマイル/細い仏像を貧弱に見せないために/コラム1‐(1)飛鳥大仏/お手本は北魏/北魏の仏像が細い理由/横から見たほうがきれい/コラム1‐(2)広隆寺弥勒菩薩半跏像/絵画もほっそり/コラム1‐(3)世界最古の木造建築は/2 奈良時代──美の基準はなぜ変わった? /白鳳時代のかわいい仏像/中国のかわいい仏像/中国のマッチョな仏像/白鳳か天平か/新素材の仏像/東大寺大仏建立/鑑真とともに伝わったもの/コラム2‐(1)白鳳時代の絵画/コラム2‐(2)鳥毛立女 風/3 異色の仏教──密教とは何なのか? /迫力で勝るヒンドゥー教/大日如来という新キャラクター/空海、密教に出会う/コラム3‐(1)両界曼荼羅/空海と最澄/コラム3‐(2)それからの天台密教は/東寺講堂の立体曼荼羅/コラム3‐(3)色っぽい仏像/4 浄土信仰──死後のために頑張る? /末法思想/コラム4‐(1)六道輪廻/阿弥陀の誓願/阿弥陀浄土図/浄土堂/コラム4‐(2)浄土式庭園/阿弥陀如来像/阿弥陀来迎図/臨終掛け/地獄絵と六道絵/5 一二世紀の絵巻──なぜ大人が熱狂する? /「女子供」のための絵巻から/絵巻マニアの後白河上皇/絵巻のジャンル(女絵)/劇画のような絵巻/嗚呼絵というジャンル/コラム5‐(1)引目鉤鼻/6 慶派──奈良仏師なぜ成り上がった? /売れない奈良仏師/コラム6‐(1)玉眼/運慶の野心/販路を東国へ/東大寺大仏炎上/コラム6‐(2)重源/巨像を造る/コラム6‐(3)寄木造/運慶とその息子たち/ちょっと違う快慶/7 肖像画──禁忌からブームへ/肖像画はタブー/コラム7‐(1)僧侶ならOK/一人の天才が流れを変える/コラム7‐(2)伝源頼朝像/息子の信実も/似絵の家系/新仏教のカリスマたち/コラム7‐(3)頂相/旧仏教も/武士だって絵に残したい/8 水墨画──新技術をいかに学ぶか/瓢妺から駒/コラム8‐(1)モノクロで3D/留学僧だけが描ける絵/将軍も参加した詩画軸/周文とその弟子/売れない雪舟/遅い再スタート/中国帰りで売り出す/コラム8‐(2)模写から得たもの/「天橋立図」/コラム8‐(3)明兆/9 戦略としての絵画──ハッタリの天守閣に合う絵とは? /なんともタフな狩野派/コラム9‐(1)阿弥派/時代が変われば絵も変わる/天主閣に似合う絵とは/コラム9‐(2)洛中洛外図 風/唐獅子図 風/ライバル長谷川等伯の台頭/楓図と桜図/松林図 風/10 狩野派その後──徳川時代を生き抜くためには? /狩野派の三面作戦/コラム10‐(1)京狩野/スター誕生/狩野の画風を一変する/時代に似合う絵/データベース『探幽縮図』/ファミレス化する狩野派/かわいそうな探幽/コラム10‐(2)家康の肖像画/コラム10‐(3)狩野派からはみ出した画家たち/11 琳派──出身も時代も場所もばらばらで? /芸術目利き──本阿弥光悦/扇屋の発想──俵屋宗達/呉服屋のぼんぼん──尾形光琳/コラム11‐(1)寛文小袖/江戸琳派──酒井抱一/コラム11‐(2)乾山/12 浮世絵の始まり──「かけそば一杯分」になるまで/コラム12‐(1)浮世絵という言葉/大名が熱を上げる──寛永風俗画/少しはお求めやすい価格に──寛文美人図/はじまりはエロ版画──菱川師宣/墨摺り手彩色──鳥居清信・清倍の役者絵/絵暦オタクたちの功績──鈴木春信/コラム12‐(2)絵師・彫師・摺師/コラム12‐(3)絵暦/より高く、より拡く──鳥居清長/歌麿の販売戦略──喜多川歌麿/幕末の美学──渓斎英泉・歌川国貞/美人画の行方──竹久夢二/コラム12‐(4)笹色紅/コラム12‐(5)東洲斎写楽/コラム12‐(6)京都の変な画家たち/13 北斎と広重──風景のなにが面白い? /浮世絵の規制から/江戸の旅行ブーム/あれもこれも──葛飾北斎/冨嶽三十六景/その後の北斎/火消しから浮世絵師へ──歌川広重/名所江戸百景/開化錦絵/コラム13‐(1)ジャポニスム/コラム13‐(2)歌川国芳/14 西洋画の導入──なぜ日本人はミレーと印象派が好き? /南蛮画/コラム14‐(1)西洋画にあって日本画にないもの/洋風画/コラム14‐(2)秋田蘭画/高橋由一/工部美術学校/黒田清輝の帰国/二種類の油絵/東京美術学校西洋画科/コラム14‐(3)裸体画論争/構想画と青木繁/優等生の反逆──萬鉄五郎/西洋美術を遡る──岸田劉生/15 日本画のゆくえ──西洋画にあって日本画になかったものは? /京都の写生画──円山応挙/京都府画学校──竹内栖鳳・上村松園/明治の日本美術──フェノロサと岡倉天心/新たな日本画へ──狩野芳崖/コラム15‐(1)明治の超絶技巧/東京美術学校/美術学校騒動と日本美術院/「日本美術院の都落ち」/大観、日本美術院を再興する/豆知識(1)仏像の種類 如来・菩薩・天・明王/豆知識(2)東洋画の絵具/豆知識(3)絵は何に描くか/写真出所/年表「日本美術史の波」/おわりに 現代美術──あなたにとっての美術
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