ちくま新書<br> カラー新書 入門 日本美術史

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ちくま新書
カラー新書 入門 日本美術史

  • 著者名:山本陽子【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2024/12発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076533

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内容説明

日本美術史の流れには、大きな波がある。外来文化をひたすら取りいれ真似する時代と、それを熟成させる時代と。ほっそりした飛鳥仏も、ハッタリの天守閣に合う金箔べったりの屏風絵も、すべての名作は、そうした繰り返す時代の波の中から、登場してきた。楽しくて目からウロコの知識満載。役に立つコラムに、カラー図版多数。

目次

はじめに──日本美術史の波/0 仏教伝来以前──何を拝んでいたか? /見えない神々/コラム0‐(1)土偶と埴輪/箸墓伝説/神の姿を形作らない/仏像を見てびっくりする/コラム0‐(2)神の姿を形作らない宗教/1 飛鳥時代の仏像──どうして細い? /聖徳太子のために/アルカイックスマイル/細い仏像を貧弱に見せないために/コラム1‐(1)飛鳥大仏/お手本は北魏/北魏の仏像が細い理由/横から見たほうがきれい/コラム1‐(2)広隆寺弥勒菩薩半跏像/絵画もほっそり/コラム1‐(3)世界最古の木造建築は/2 奈良時代──美の基準はなぜ変わった? /白鳳時代のかわいい仏像/中国のかわいい仏像/中国のマッチョな仏像/白鳳か天平か/新素材の仏像/東大寺大仏建立/鑑真とともに伝わったもの/コラム2‐(1)白鳳時代の絵画/コラム2‐(2)鳥毛立女 風/3 異色の仏教──密教とは何なのか? /迫力で勝るヒンドゥー教/大日如来という新キャラクター/空海、密教に出会う/コラム3‐(1)両界曼荼羅/空海と最澄/コラム3‐(2)それからの天台密教は/東寺講堂の立体曼荼羅/コラム3‐(3)色っぽい仏像/4 浄土信仰──死後のために頑張る? /末法思想/コラム4‐(1)六道輪廻/阿弥陀の誓願/阿弥陀浄土図/浄土堂/コラム4‐(2)浄土式庭園/阿弥陀如来像/阿弥陀来迎図/臨終掛け/地獄絵と六道絵/5 一二世紀の絵巻──なぜ大人が熱狂する? /「女子供」のための絵巻から/絵巻マニアの後白河上皇/絵巻のジャンル(女絵)/劇画のような絵巻/嗚呼絵というジャンル/コラム5‐(1)引目鉤鼻/6 慶派──奈良仏師なぜ成り上がった? /売れない奈良仏師/コラム6‐(1)玉眼/運慶の野心/販路を東国へ/東大寺大仏炎上/コラム6‐(2)重源/巨像を造る/コラム6‐(3)寄木造/運慶とその息子たち/ちょっと違う快慶/7 肖像画──禁忌からブームへ/肖像画はタブー/コラム7‐(1)僧侶ならOK/一人の天才が流れを変える/コラム7‐(2)伝源頼朝像/息子の信実も/似絵の家系/新仏教のカリスマたち/コラム7‐(3)頂相/旧仏教も/武士だって絵に残したい/8 水墨画──新技術をいかに学ぶか/瓢妺から駒/コラム8‐(1)モノクロで3D/留学僧だけが描ける絵/将軍も参加した詩画軸/周文とその弟子/売れない雪舟/遅い再スタート/中国帰りで売り出す/コラム8‐(2)模写から得たもの/「天橋立図」/コラム8‐(3)明兆/9 戦略としての絵画──ハッタリの天守閣に合う絵とは? /なんともタフな狩野派/コラム9‐(1)阿弥派/時代が変われば絵も変わる/天主閣に似合う絵とは/コラム9‐(2)洛中洛外図 風/唐獅子図 風/ライバル長谷川等伯の台頭/楓図と桜図/松林図 風/10 狩野派その後──徳川時代を生き抜くためには? /狩野派の三面作戦/コラム10‐(1)京狩野/スター誕生/狩野の画風を一変する/時代に似合う絵/データベース『探幽縮図』/ファミレス化する狩野派/かわいそうな探幽/コラム10‐(2)家康の肖像画/コラム10‐(3)狩野派からはみ出した画家たち/11 琳派──出身も時代も場所もばらばらで? /芸術目利き──本阿弥光悦/扇屋の発想──俵屋宗達/呉服屋のぼんぼん──尾形光琳/コラム11‐(1)寛文小袖/江戸琳派──酒井抱一/コラム11‐(2)乾山/12 浮世絵の始まり──「かけそば一杯分」になるまで/コラム12‐(1)浮世絵という言葉/大名が熱を上げる──寛永風俗画/少しはお求めやすい価格に──寛文美人図/はじまりはエロ版画──菱川師宣/墨摺り手彩色──鳥居清信・清倍の役者絵/絵暦オタクたちの功績──鈴木春信/コラム12‐(2)絵師・彫師・摺師/コラム12‐(3)絵暦/より高く、より拡く──鳥居清長/歌麿の販売戦略──喜多川歌麿/幕末の美学──渓斎英泉・歌川国貞/美人画の行方──竹久夢二/コラム12‐(4)笹色紅/コラム12‐(5)東洲斎写楽/コラム12‐(6)京都の変な画家たち/13 北斎と広重──風景のなにが面白い? /浮世絵の規制から/江戸の旅行ブーム/あれもこれも──葛飾北斎/冨嶽三十六景/その後の北斎/火消しから浮世絵師へ──歌川広重/名所江戸百景/開化錦絵/コラム13‐(1)ジャポニスム/コラム13‐(2)歌川国芳/14 西洋画の導入──なぜ日本人はミレーと印象派が好き? /南蛮画/コラム14‐(1)西洋画にあって日本画にないもの/洋風画/コラム14‐(2)秋田蘭画/高橋由一/工部美術学校/黒田清輝の帰国/二種類の油絵/東京美術学校西洋画科/コラム14‐(3)裸体画論争/構想画と青木繁/優等生の反逆──萬鉄五郎/西洋美術を遡る──岸田劉生/15 日本画のゆくえ──西洋画にあって日本画になかったものは? /京都の写生画──円山応挙/京都府画学校──竹内栖鳳・上村松園/明治の日本美術──フェノロサと岡倉天心/新たな日本画へ──狩野芳崖/コラム15‐(1)明治の超絶技巧/東京美術学校/美術学校騒動と日本美術院/「日本美術院の都落ち」/大観、日本美術院を再興する/豆知識(1)仏像の種類 如来・菩薩・天・明王/豆知識(2)東洋画の絵具/豆知識(3)絵は何に描くか/写真出所/年表「日本美術史の波」/おわりに 現代美術──あなたにとっての美術

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

36
云十年来の仏像ファンなのだが、白鳳仏が645年の大化の改新から710年の奈良遷都までのもの、天平仏がそこから794年平安遷都までのものなんて知識は初知り。私の最も好きな法隆寺金堂の釈迦三尊像も意外な「好きだという人は、めったにいない。」と言う辛口評価も面白い。これまでパーツ・パーツでみてきた日本の美術が、歴史の流れの中で大掴みに把握できる手に取て良かった、座右にしたい良書。そう言えば最近既読の「秘仏の扉」では、上野・国立博物館の法隆寺館の由来のドラマが描かれていましたね。2025/02/13

ケイジ

25
わかりやすい日本美術史。あまり知らなかった屏風絵や障壁画の解説が良くて俄然興味が湧きました。2025/01/12

hippos

15
美術史なんて全然柄でもない分野だったのだけれど非常に面白く読めた。適度にユーモラスで平易な文章が良い。全くの門外漢でもついていける。 美術といってもやはり「その時代」を生きた人たちの「流行」なんだと思えばその作品は、当時の世界そのもの。時代背景を知ることでグッと面白くなる。 新初版では仕方がないけれど折角の図版が小さくて鑑賞には向かない。実物を見たいものだ。2025/01/23

chietaro

9
わかりやすかったです。曼荼羅についてはこれまで意味がわからない世界だったのですが、2つの曼荼羅の見方や、登場する仏について勉強になりまさした。密教もなるほどといった感じです。普段気に留めていなかったことも多かったので、考えるきっかけになりました。2025/01/11

多喜夢

8
中途半端な知識を整理し直すのにちょうどよい本。楽しい語り口調で面白く読めるが、岸田劉生や大観で終わってしまったのは残念でした。2025/04/16

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