内容説明
日本国憲法の基本を,立憲主義の思想につねに立ち返りながら丁寧に伝える好評テキスト。第6版では,近時議論が活発化し,最高裁による判例形成の動きにも注目が集まる「婚姻の自由と家族制度」について新たに一章を書き下ろした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクロウ
5
「第9章 婚姻の自由と家族制度」が加わった以外は第5版からほとんど変化なし。やはり西山千絵が言うように、(同性婚札幌高裁判決の憲法24条1項同性婚保護説という憲法変遷論に立たない限り)、たとえ法律レベルで同性婚が導入されても、憲法24条1項が存在することから生じるスティグマがある以上、憲法改正が素直な帰結か。『世界』論文の帰結であろう、国家と社会の二分論を前提に、「婚姻」を国家ではなく社会の側に自生した秩序と把握してそれへの国家による法律を手段とする介入を観念するのは見事(自由権としての婚姻)。2024/10/08