内容説明
旧ソ連製の超小型核爆弾、通称“レベジの核”が、新潟の原発付近に持ち込まれたことが判明した。突如、核テロの脅威にさらされた日本政府は、国際謀略のエキスパートにして伝説のスパイマスター・冴木治郎に対処を依頼。調査に乗り出した冴木たちのもとに“ロスト7”を名乗る正体不明の人物から犯行声明が届く。核を持ち込んだのは、現職の総理大臣・高畠千陽への「警告」だというのだ。新潟の事件を皮切りに、過激派組織の女性テロリストの帰国、CIAによる内政干渉、政府高官を狙った襲撃と、国を揺るがす事態が次々に巻き起こる。混迷する状況の中、核の行方と“ロスト7”の正体をつきとめることはできるのか。未曾有の事態に直面した日本を描く、本格謀略小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
155
真山 仁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。今回のテーマも設定も、今そこにある危機という感じで面白いと思いますが、この内容を如何せん258頁で消化するのは無理があります。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322108001083/2025/02/20
いたろう
63
柏崎原発の近くで、放射能汚染された、旧ソ連製の小型原子爆弾のケースが発見され、ロスト7と名乗る者から、首相官邸宛に、約束を守れというメールが送られてきた。ロスト7とは何者なのか、約束とは何なのか。危機感の希薄な政治家と官僚、世論を無視した核武装という暴挙、これらは決して絵空事ではないと思われるのが恐ろしい。そして、物語の中心となるのは、元内閣情報調査室長、現在は調査事務所の所長の冴木治郎。どうも前作があるような書かれ方と思ったら、以前の作、「トリガー」で出てきた人物だったのか。そちらも、是非読んでみたい。2025/03/30
えみ
53
演出だとしても恐ろしい。そう思うのは、どこか「もしも」の可能性が実際にあるからだということを、無意識に感じ取っているからだということ…それも分かっているから怯えるのだろう。まさかこの小説、「預言書」なるものではないか。又は、国民に隠された国家の機密で動いていた実際あったことを記した「記録帳」ではないか。フィクションとノンフィクションの重なるところが多く、疑う余地があり過ぎて、読みながらじっとりと纏わりついて離れない嫌な想像を巡らしてしまう。日本・米国・中国の三か国の関係性。対話なき無言の威嚇がしたたかだ。2025/03/09
punyon
46
日本に持ち込まれた旧ソ連の小型核爆弾。過去の学生運動の残党ロスト7の脅迫。女性総理とその父の思惑。アメリカの不穏な動きと日本の核武装。それを追うマスコミまでがキナ臭い。政治的謀略とたくさんの登場人物がこんがらかって、誰がどっち側なのか?脳ミソの中が爆破テロ状態(笑) が、その諜報活動の複雑さが増々私を虜にし、ドンドン引き込まれてしまう。話が見えてくるほどに、今の日本の現実と重なり、増殖されていく恐怖は怖いもの見たさの好奇心を煽る。そんな読者心理を真っ向からブッ刺してくる真山さん。やっぱ上手いし、大好物💕2025/02/09
hirokun
43
★3 真山さんは好きな作家さんの一人で新刊を中心に読んでいるのだが、今回の作品は頭がクリアでない状況で読んでいたためか登場人物の立場がいろいろ変化することに追いついていけなかった。国際政治の裏には様々な策謀と、裏の裏を行く戦略がひしめき合っていることを表しているかの様なストーリー展開には非常に興味があるのだが・・また次の真山作品に期待!!2025/02/09
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