内容説明
〈私とは違う誰か〉と生きるための文化人類学入門。
「家族にとって血のつながりは大切」「“日本人”とは日本人の親を持つこと」
「日本では宗教を信じる人はめずらしい」……それって本当?
自分にとってのあたりまえが、実はあたりまえではなかったことに気づく。
多様な人々と共に生きる、未来のための文化人類学入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャッピー
29
文化人類学の入門書。表紙がかわいらしいイラストで気軽に読めそうで手に取った。思っていたよりは専門的で、まったくの初心者にはちょっとよくわからない‥と思うところもあった。まぁそれも自分の基礎教養のなさかな‥などと思いつつ、わかるとこだけ楽しんで読んだ。 2025/03/16
よっち
24
自分にとってのあたりまえが、実はあたりまえではなかったことに気づく。多様な人々と共に生きる、未来のための文化人類学入門。そもそも文化とは何か。集団と親族、「ウチ」と「ソト」を作る「資格」と「場」共有による集団の違い。生みの親と育ての親、父親の存在の意味と家族の血の繋がり。「負い目」を生み出す贈答と交換の文化。「穢れ」という概念と神聖なものとの共通性、就活に見る現代の通過儀礼、日本における宗教と宗教心、呪術と科学、日本人とは誰を指すのか、当たり前が違うことを知ることで見えてくるものがありそうな気がしました。2025/08/13
くるみみ
20
書店にてわりと真ん中に平置きされている台を眺め、学問系で読みたい本があったな…と思いつつも思い出せず、ペラペラ手繰ったら読みやすさ前面推し。結果、読んでよかった!特に瞠目したのは第7話「呪術と科学」の中で「運」は中国の陰陽五行説に関する概念だということ。”神秘的な因果関係”枠なんだ。。。第3話「贈り物と負い目」もなんとなく気になっていたことだし、第5話「儀礼と境界」のなぜ就活はあんなにつらいのか?の設問にも惹かれ納得出来た。『文化人類学』について初歩の初歩でも知ることができて良かった1冊。2025/04/30
おさと
10
わかりやすいよ。オススメ!当たり前は当たり前じゃないのだ。2025/03/01
TM
6
タイトル通り、文化人類学の入門。文化人類学というのがどういう学問で、どういったことを研究して、何を目指しているのかを、具体的な例をあげながら、しかも個々人の持つ常識をゆさぶりながら、わかりやすく解説してくれている良書。法律家の立場からは、法制度が前提とする「常識」も、やはい特殊文化的なものがあるはずだし、「公正」や「正義」の感覚にも文化的な差異があるのではないか、ということを真正面から論じていく必要があるのではないかと感じた。2025/05/17