戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

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戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ

  • 著者名:清田隆之
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 太田出版(2024/12発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784778319960

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内容説明

ひとりの青年が、とまどい、ゆらぎ、つまずきながら、夫になり、父になる成長物語。その率直さに胸を衝かれる。男性が本書から学ぶことは多いだろう。--上野千鶴子



このひとの書くものはブレない。それはたぶん、自分の立ち位置と付与された力を厳しすぎるくらいに点検することを忘れないからだ。--信田さよ子



フェミニズムから受け取った重たい宿題。これからの〈俺たち〉へ。



男らしさや男性性にまつわる当事者研究として各メディアで話題となった『さよなら、俺たち』に続く最新ジェンダー・エッセイ集。ジェンダーの先にある人間の生き方、幸福を探求する。



人生の価値は、人生の豊かさは、どれだけ何かに心を揺さぶられたかでおそらく決まる。ジェンダーとは生き方や在り方に直結する問題で、私たちの言動や感受性のOS(オペレーション・システム)として機能しているものだ。そこに変化を加えようとすれば、当然ながらいろんなところがギリギリ軋む。そのストレスや不快感はバカにならず、反動的なエネルギーが生じたって不思議ではない。だからこそ思う。俺たちは頭で考えてるだけでは変われない。そのためには何かに圧倒され、言葉を失い、放心状態になるような体験を重ねることが重要で、内省も責任も、ケアも覚悟も、抵抗も希望も、きっとそういう時間から生まれるはずだ。もちろん本やドラマだけじゃない。恋愛にも、子育てにも、仕事にも、旅にも、生活にも、友達とのお茶にも、そんな感動は宿っている。「昔のほうがよかった」「ずいぶん息苦しい時代になった」「あの頃に帰りたい」って気持ちは誰の中にもあると思うけど、進んでしまった時間を、変化してしまったものを、元に戻すことはもうできない。それでも毎日は続くし、何かに心を震わせながら生きていくことは全然できる。さよならした時間に戻ることはできないけれど、男らしさの危機が叫ばれるこの時代を、俺たちはこれからも生きるのだ。

(「戻れないけど、生きるのだ」)



1 〈男〉とフェミニズム──シスターフッドの外側で

2 我は、おじさん──男性優位社会と中年世代の責任

3 被害と加害と恥と傷──泣いてる〈俺〉を抱きしめて

4 平成から遠く離れて──生産性の呪いと自己責任社会

5 家父長制への抵抗──結婚と家族、ジェンダーの呪縛

6 これからの〈俺たち〉へ──beingの肯定

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どら猫さとっち

10
マチズモ、ミソジニー、家父長制…。男性優位な社会は、男たちにも生きづらいことに気づかされるようになった今、本書は何よりの癒しでもあり気づきになるだろう。男らしさからの呪縛を解き楽になる、そしてマチズモやおっさんではない真の男らしさとは何かを、本書では提唱する。男であることにモヤモヤし続けた今、ようやくたどり着いた気がするけど、まだ現実では本書のような境地にはないようだ。2025/02/16

おさと

6
読みたい本がまた増えた…。ジェンダー、フェミニズム、マチズモなどなど、もっと多角的な視点から知りたい。2025/02/23

てくてく

5
本やテレビドラマなどを素材に、既に受け取っているジェンダーやフェミニズムの課題を咀嚼しつつ男性性などについて考察するエッセイ集。男性が自らの内面を開示したり、男らしさとは何かについて言語化したりすることは、未だそれほど多くは無い中で、著者の悶々とした悩みや率直さは興味深いものだった。2025/04/22

たまこ(こなぎ)

4
チェ・スンボムの「男でフェミニストです」に始まり、読書やドラマから思い出した自分の体験や感じた気持ちを書き綴ったエッセイ。男である自分が、男という特権を意識することなく行使していたこと、また、男であることで期待される役割や考え方に縛られてきたことがメインのテーマ。男には男の苦しみがあるのだと分かるが、それが「そうでなくても構わない期待されている男らしさ」のためだと気づく男性はどれくらいいるのだろうか。マイノリティなのだろうか。2025/04/04

keichato

3
私は、自分が特権階級であることを意識せずとも生きてこられた男性です。男性が男性目線で男性優位社会を批判的に振り返りつつ、自身も反省しながら一緒に考えよう、というメッセージを受け取った。考えないといけないなと思った。創作物を通して、男性性の変化や社会の変化を読み解いていくのは面白く、それをさらに深掘りした本を書いて欲しいなと思った。 また、「生産性の呪いと自己責任社会」の章がとても身につまされた。そうなんだよ、効率上げて成果をださなきゃ、何かを成さなきゃ、と思ってしまうんだよなぁ。2025/02/24

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