文春e-book<br> PRIZEープライズー

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文春e-book
PRIZEープライズー

  • 著者名:村山由佳【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 文藝春秋(2025/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163919300

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内容説明

村山由佳が描く、業界震撼の“作家”小説!

「どうしても直木賞が欲しい……!」

賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める、あるベストセラー作家と彼女を取り巻く人間たちの、破壊的な情熱が迸る衝撃作!

あらすじ

ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。
――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。
過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの?



『南十字書房』に勤める緒沢千紘は、天羽カインの担当編集者である。学生のころから大ファンで、編集者になってからは必死のアピールのすえカインの担当となった。〈直木賞〉が欲しいとのたまうカインに振り回されつつも、彼女の情熱に応えるべく、自らのすべてを懸けてカインに没頭するようになってゆき――。



一方『文藝春秋』のカイン担当、「オール讀物」編集長の石田三成は当惑していた。文春から出す新作を「絶対に候補作にしろ」とカインに詰め寄られたのだ。そしてその日カインが宿泊するホテルのカードには、手違いで「石田三成」の名前が載っていて……。
果たして天羽カインは直木賞を獲得することができるのか。
あまりのリアリティに業界震撼! 文芸を愛するすべての人に捧げる容赦ない作家小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

505
直木賞をめぐる攻防を、エンターテインメントに徹して描いた作品。主人公の天羽カインのモデルは、こんなに激しくないだろうと思うが、おそらくは作家自身だろう。相手役の千紘にもモデルがありそうだ。出版社はすべてこれ実名。登場する作家たちも、一応は変名になってはいるものの、軽井沢在住の馳星周や小池真理子、藤田宜永 などは誰の目にも明らかである。おそらくは、彼らの実像もあれに近いのだろう。また、作家と編集者、あるいは書店との関係もおおよそあんなものなのではないだろうか。天羽カインは、徹底して直木賞に執着するのだが⇒2025/06/29

starbro

385
村山 由佳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は半分私小説でしょうか、直木賞作家の著者で文藝春秋社刊だから書ける内容、直木賞くれくれお化け小説家物語でした。直木賞の選考過程や出版業界の内部事情が解る、読書家には楽しめる作品となっています(笑) 作中作「テセウスは歌う」を読んでみたい。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639193002025/01/21

さてさて

374
『直木賞が欲しい。他のどの賞でもなく、直木が』。そんな思いの一方で『ベストセラーリストの一位に長く君臨する』状況に悩みを深める天羽カイン。この作品にはそんなカインが”どうしても、直木賞が欲しい”という思いの先に担当編集者の緒沢千紘と突っ走っていく姿が描かれていました。『直木賞』のあんなことこんなことがよく分かるこの作品。一つの小説が誕生する舞台裏にどのような葛藤があるかもよく分かるこの作品。ええっ!そんな風に展開させるの!とあっと驚くまさかの結末に、村山由佳さんの上手さを改めて感じた素晴らしい作品でした。2025/01/08

R

291
小説の賞レース、そこへの渇望と行動を描いているのだけど、内容は承認欲求という浅はかなそれのように見せかけて、何をプライズとするかというお話だったように思うのだが、とりあえず登場人物が全員身勝手で凄かった。主人公が結局、反省しないけど成長しているというのが稀有だと思うのだが、根っこは変わっていないので人間性とはそういうものだとも読めるのがよいところ。小説業界と呼んでいいのか、その仕事のあれこれが楽しく、編集者と小説家の関係が興味深くて良かった。2025/05/05

のぶ

282
これは危険な本ですね。読みながらハラハラした。主人公の作家の天羽カイン。売れっ子で出す本出す本ベストセラーになり、本屋大賞も受賞した。けれどどうしても手に入らないのが直木賞。今度こそ、と誰もが太鼓判を押す自信作に大々的に待ち会を開いたのに…。担当編集にあたる、無理難題を突き付ける。出てくる出版社も登場人物たちも、そのモデルに心当たりがあってニヤニヤしたり胸を傷めたり。実際の文壇がこれほどのものと信じたくはないが、さもありなんと思わされてしまうほどリアリティがあり、大変面白い読み物に仕上がっていた。2025/01/29

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