立体と鏡像で読み解く生命の仕組み - ホモキラリティーから薬物代謝、生物の対称性まで

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立体と鏡像で読み解く生命の仕組み - ホモキラリティーから薬物代謝、生物の対称性まで

  • 著者名:黒栁正典【著】
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  • 築地書館(2024/12発売)
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  • ISBN:9784806716754

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内容説明

地球の生命は、L-アミノ酸のみによって構成されている
「ホモキラリティー」という現象に助けられて誕生し進化してきた。

地球上で繁栄する生命は、どのようにして生まれ、繁栄してきたのか。
その仕組みの一つであるホモキラリティーや、
生命活動に重要な役割を果たすアミノ酸やタンパク質の構造と働き、
医薬品の三次元構造と作用機序の関係、
動くために必須である動物の対称構造などを、化学の視点から解き明かす。

目次

はじめに

第1章 生命誕生と進化
生物の定義
生命誕生は謎だらけ
生命誕生には化学進化が必要だった
ユーリー=ミラーの実験
生命誕生の場、熱水噴出孔
パンスペルミア説──地球外生命の痕跡を求めて
生命誕生後の生物の進化
コラム1 共生
コラム2 人類の大いなる旅路

第2章 ホモキラリティー
生命活動に必須のホモキラリティー
ホモキラリティーの起源は今でも謎
  2つの起源説 / 宇宙におけるホモキラリティーの必然性
ホモキラリティー完結に必須の不斉増殖
  ホモキラリティーの成立過程
ホモキラリティーが起こらなければ地球生命は誕生しなかった 

第3章 有機立体化学の歴史
次元と時間の考え方
  時間の概念
鏡の世界と右左
有機化学は無機化学の後を追って発展した
幸運を逃さなかったパスツール
有機化合物における中心性不斉の概念
  不斉炭素とは
コラム3 「鏡の国」のミルクの味
コラム4 セレンディピティー

第4章 有機立体化学の理論
不斉炭素と光学活性
鏡像異性体は旋光度で区別する
鏡像異性の表記法
  D/L表記 / R/S表記
ジアステレオマーと鏡像異性体の関係
不斉炭素を持たない鏡像異性体
  軸性不斉誘導体 / 面性不斉誘導体

第5章 生物におけるホモキラリティーの働き
アミノ酸がつながってタンパク質が作られる
アミノ酸の構造と働き
天然の糖はD-系列
糖の環状構造
デンプンとセルロースは似て非なるもの
生命活動における糖類の役割
核酸は高度に不斉
その他生体成分の立体化学
  ステロイド誘導体 / テルペノイド誘導体 / 脂質関連化合物
コラム5 D-アミノ酸 

第6章 鏡像異性がヒトの体に与える影響
サリドマイド薬害が薬の未来を変えた
体内に取り込まれた薬の運命は?
医薬品の鏡像異性体は生理活性が異なる
香りや味は鏡像異性体で異なる
コラム6 ドラッグリポシショニング──既存薬の転用

第7章 目的の立体配置を持つ医薬品の供給
鏡像異性体の一方のみを得る方法
光学分割
入手容易な鏡像異性体からの化学的誘導──キラルプール法
不斉を持たない出発物質からの不斉合成
植物や微生物の力を借りる
  植物や微生物の生産物を利用 / 生物の力を借りる不斉合成 / 植物組織培養による方法 / 微生物培養による生産

第8章 生物の対称性
動物は基本的に対称構造
  ヒラメとカレイ / 昆虫は左右対称 / シオマネキ / 巻貝 / 右利き左利き
動かない植物は対称構造がいらない
  植物の部分は基本的に対称構造 / 蔓性植物の蔓の巻き方
ネジバナは右巻き? 左巻き?

コラム7 トラック競技は反時計回り
コラム8 ネジやツマミ、道具の回転方向
コラム9 貝毒の話

おわりに
用語解説
参考文献
索引

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