内容説明
「推し」は虚構でなくリアルである――
目に見えない存在をめぐる人類学。
神など、信仰の対象になる目に見えない存在は、信者にとっていかにして「リアル」となるのか。
そのメカニズムを福音派をはじめとする宗派へのフィールドワークをもとに文化人類学的に考察する。
目次
序
第1章 信仰の枠組み
第2章 パラコズム(空想の世界)を創る
第3章 才能とトレーニング
第4章 なぜ心が重要か
第5章 神々と精霊の反応に関する5つの証拠
第6章 祈りがきく理由
第7章 応答する神
謝辞/方法についての注/文献についてのコメント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
57
【この本は無神論者の本ではない。信仰者の本でもない。これは人類学者の本であり、人間が自分の世界を認識するためのフィルターである「mild」についての人類学の著作である】「信仰のメカニズム」をフィールドワークに基づいて、文化人類学的に考察した書。巻末に、「方法についての注」「文献エッセイと注」「参考文献」「人名索引」「事項索引」。<私が本書で提供するのは、人が神や霊をリアルなものにし、目には見えないけれど、生き生きと感じられる存在との関係を発展させた時、彼らがどのように変化するかについての説明である>と。⇒2025/05/21
袖崎いたる
4
SNSで鏡リュウジさんがこの本のイベントに出演するのを知ってこの本を知ったのがきっかけで、何か惹かれるものがあったんだけど流し読みすればいいかという軟派な気持ちでいたのが、本腰入れる展開に持ち込まれちゃったよね。ずばり人が神秘を感じるときのその感じる仕方に光を当てた本。制作物としてのリアリティというタイトルは、宗教な人々が修行してそれを体験できるようになっていくプロセスがマニュアル・トリセツ作れるレベルで整備されちゃうくらいになってる消息を踏まえると、精神世界やスピリチュアルもバカにならんなぁと思えて楽し2025/08/19
Go Extreme
1
信仰と社会: 信仰の象徴 社会的経験 超自然的体験 帰属意識 礼拝の役割 共同体の絆 信仰の現実化 信仰の心理: 目に見えない存在 神秘的体験 祈りの効果 感情管理 内的経験 精神的安定 パラコズム形成: 空想の世界 宗教的物語 儀式の意義 共同体の影響 信仰の没入 霊的実践 才能: 才能の種類 認知的能力 身体的才能 創造的表現 社会的スキル 反復練習 祈りの影響: メタ認知 自己認識 精神的健康 社会的支援 祈りの習慣 霊的成長 祈りの科学 応答する神: 霊的交流 信仰の変化 宗教的体験 神秘体験2025/03/03
読書熊
1
神を作り出す方法に焦点を当てた本。面白い2025/01/04
Shinjuro Ogino
0
リアルメイキングとは、主に宗教の信者が、神を実感するようになる状況のことで、本書は米国(主に福音派)、インド(チェンナイのペンテコステ派)、ガーナ(アクラのカリスマ教会)について調査したもの。難しくて途中から流し読み。〇現代の福音派教会の多くでは、罪と神の裁きの概念は消滅している。〇欧州系アメリカ人は、人の心は世界から隔てられたものと思っている。だから神が心の中で語り掛けるという考えになじめない。神の声を聞くには訓練が必要となる。インド、ガーナは異なる。〇タイの仏教徒の金縛りの経験は米国の教会よりも多い。2025/01/30