岩波新書<br> ピーター・ドラッカー - 「マネジメントの父」の実像

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岩波新書
ピーター・ドラッカー - 「マネジメントの父」の実像

  • 著者名:井坂康志【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2024/12発売)
  • お盆休みの読書に!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/17)
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  • ISBN:9784004320456

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内容説明

全体主義が台頭して破局へと向かうヨーロッパからアメリカへ渡り,産業社会と企業,そして働く自由な人間に未来への可能性を見出したドラッカー.最晩年の肉声に触れた著者が,内なる怒りと恐怖に静かに向き合う,アウトサイダーとしての実像を描き出す.明るい本を書き続けた「マネジメントの父」に,新たな光を当てる.

目次

はしがき

第1章 破局 一九〇九─一九二八
第1節 幼少期の環境
 出生
 ウィーン第一九区
 第一次大戦──文明の崩壊
 不適応と転校
 シュヴァルツヴァルト小学校
 デブリンガー・ギムナジウム
第2節 時代への目覚め
 ラーテナウ暗殺
 サロンでの出来事
 アトランティスからの報告
 ウィーンを去る
 商社に就職
 若きキルケゴール主義者
 働きながら学ぶ
  インターミッション1 憧れ──オペラ『ファルスタッフ』

第2章 抵抗 一九二九─一九四八
第1節 フランクフルトからロンドンへ
 大外れの初予測
 新聞記者生活
 フランクフルト大学
 『フリードリヒ・ユリウス・シュタール』(一九三三年)
 知識ある者の裏切り
 ウィーン一時寄留からロンドンへ
 フリードバーグ商会の人々
 バジョットへの敬意
 アカデミック・ポストの探求
 日本美術とのであい
 ドリス・シュミットと結婚
第2節 新天地アメリカ
 渡米
 記事の売り込み
 『経済人の終わり』(一九三九年)
 雑誌王ヘンリー・ルース
 ベニントン・カレッジ時代
 『産業人の未来』(一九四二年)
 GMの内部観察
 『企業とは何か』(一九四六年)
  インターミッション2 『傍観者の時代』の危うい筆法──カール・ポラニー

第3章 覚醒 一九四九─一九六八
第1節 ニューヨーク大学時代
 ニューヨーク大学教授に就任
 『新しい社会』(一九五〇年)
 ポストモダンの風景──因果から形態へ
 教育者として
 GEクロトンヴィル研修所
 『現代の経営』(一九五四年)
第2節 初来日
 戦後日本とイメージ形成
 経営ジャーナリズム
 現代経営研究会
 「猛烈」に受容した人々
 一九五九年初来日
 日本美術収集
 学界からの乖離
 経営者の責任
  インターミッション3 「大工の言葉」の使い手──マクルーハン

第4章 転回 一九六九─一九八八
第1節 断絶
 『断絶の時代』(一九六九年)
 知識──新たな資源
 「断絶」の由来
 渋澤栄一
 アメリカ技術史学会
第2節 西海岸移住
 転居
 カリフォルニア州クレアモント
 『マネジメント──課題、責任、実践』(一九七三年)
 故買屋フェイギンの泥棒学校
 ドラッカー・スクール
 『傍観者の時代』(一九七八年)
 『イノベーションと企業家精神』(一九八五年)
  インターミッション4 失われた風景──小説『最後の四重奏』

第5章 回帰 一九八九─二〇〇五
第1節 ポスト資本主義
 文明の特異点──ブレンナー峠
 資本主義に正統性はあるか
 ポスト資本主義社会へ
 「ある社会生態学者の回想」(一九九二年)
第2節 共生の社会へ
 原点に還る
 『非営利組織の経営』(一九九〇年)
 最晩年のパートナー
 大統領自由勲章
 彼は何者だったのか
  インターミッション5 信仰生活

終章 転生 二〇〇六─
 死
 遺産
 ドラッカー・インスティテュート
 珠玉の水墨画──日本の美への愛
 『もしドラ』ブーム
 ドラッカーの家
 原風景

参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あらたん

58
「マネジメントの父」ピータードラッカーの伝記。現代の偉大な哲学者、預言者。企業の社会的責任や非営利団体の重要性など、現在の課題を遥か昔に予言していたすごい人。日本人はドラッカーが大好きだが、ご本人もかなり日本を好いてくれていたんだな。2025/01/29

なかしー

49
ドラッカー氏ー親交のある上田惇生ーものづくり大学ー教授(本著者) 「マネジメントの父」と呼ばれるP.F.ドラッカーの生涯について振り返り、彼の実像に迫る作品。悪筆で苦労した幼少期、戦争をきっかけに故郷から追われる青年期、新天地でアウトサイダーの一匹狼として、学術会から一定の距離を保ちつつ、実際の経営に肉薄する提言を挙げる。尚、米国の経営学ではドラッカーは取り扱われない。氏曰く私の経営学は学問としての経営学ではないは秀逸。今で言う経営コンサルみたいな職業という認識に近いかなと個人的には思った。2024/12/31

koji

19
ピーター・ドラッカーという巨人の一生を、無駄を省いた文体と適切なエピソードの挿入で、丹念に丁寧に追いかけた労作です。著者は、「マネジメントの父ドラッカー」は表の顔に過ぎず、その裏側には、全体主義批判、哲学、文学、芸術を基盤とした「問い」の体系を作り上げ、ドラッカーに触れた人が内省を求め自覚的な行動を促す実践の人であったと言います。私の感想ですが、本書を読んで漸く「ドラッカーの著作を読んでいた時に感じた『経営論の底にあるわからなさ』の正体が掴めました。もっとそこを感じ取れればと悔いが残ります(コメントへ)2025/04/06

タカナとダイアローグ

16
本を読むようになったきっかけが、2003年頃で「ポスト資本主義社会」だった。大学の友人が抱えている真っ赤な本に憧れて読んだ。ゼミの教授が全集を買ってくれて(資金源は内緒)、全部は読めていないけど、卒論のテーマは「全体主義と対抗するためのマネジメント思想」だった。井坂先生のご著書(文眞堂、大著につき読めていない…)からエッセンスを抽出したのだと思うけど、岩波新書でエッセンシャルに出版してくださったのは本当に良かった。人生と本が時系列に整えられていて、素晴らしいガイドになるし、読み物としておもしろい。2024/12/31

井の中の蛙

12
ドラッカーの人物像に迫るような本だった。キルケゴールや日本美術への傾倒や、後半生では企業よりも非営利組織に多く関わっていたことを知った。面白かった。2025/04/14

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