アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である アーレント判断論の社会学的省察

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アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である アーレント判断論の社会学的省察

  • 著者名:橋本摂子【著】
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 東京大学出版会(2024/12発売)
  • ポイント 48pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784130502115

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内容説明

道徳の廃墟から、「正しさ」の在処を問う
私たちは何に依って善と悪を判断することができるのか。神や道徳や一般意志を拒み、ひとり〈正しさ〉を自由の可能性へと開いたハンナ・アーレント。社会学的想像力との共鳴のなかで、世界的な戦火の時代に、あらためてその強靭な思考の核心をつかみだす。


【主要目次】
序章 アーレント「純粋政治批判」を解読する

1章 アーレント判断論をめぐって
1.アーレント思想の受容と背景/2.判断論の成立と展開/3.「政治理論」への還元

2章 ホロコーストと社会学的想像力
1.ファシズム、大衆、社会学/2.核心としての「絶滅収容所」/3.大衆社会論からの離脱/4.社会科学と「悪の凡庸さ」/5.全体主義と「事実」の位相

3章 全体主義と道徳哲学
1.始まりの場所/2.アイヒマンの弁明/3.実践知と実践理性/4.第三帝国の定言命法/5.「行為」の公共性/6.思考放棄の先へ

4章 廃墟からの公共性
1.カント『判断力批判』の発見/2.共通感覚と伝達可能性/3.趣味判断から政治的判断へ/4.共通感覚の系譜/5.リアリティとしての共通感覚/6.純化の思考

5章 排除の政治とその始源のアポリア
1.道徳哲学の誤謬/2.真理と生命の棄却/3.創設=基礎づけの革命論/4.オートポイエティック・システムとしての政治/言論/5.複数性再考

補論 真理をめぐるコミュニケーション
1.正解のない判断論/2.美学化への抵抗/3.討議倫理による批判(理論)的継承/4.合意と真理を止揚する/5.純粋政治とは何か

終章 不正を理解すること

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaeruko

2
感想が思い浮かばなかった。以下は人の感想。 著者は2011年4月に福島大学に着任し、双葉郡の被災者避難者全数調査に関わったそう。筆者が聞いた被災者の言葉は肉をえぐる鉄のような重みがあり、その経験をもとにこの章は書かれている 福島原発事故後の被災者・避難者は、限られた情報のもと、低線量被曝のリスクと各自の判断において分断が生まれていた。彼らはそれを良いと思っていないが、解決の術はなく苦悩する。この本そのものはアーレントの判断論について論じたものだけど、明らかに終章だけが独立しかつ傑作になっている

柘植 公人

1
p462025/05/31

Go Extreme

1
政治思想:純粋政治批判 公共性の再構築 複数性の重要性 言論の自由 政治的判断力 公共空間の確保 全体主義への抵抗 倫理と道徳:悪の凡庸さ 道徳的判断の基準 社会的責任 実践知の役割 自立的思考 事実の不可侵性 道徳哲学の限界 判断力の形成 社会構造:全体主義の反復可能性 社会的不正の理解 政治と真理の関係 福島原発事故の分析 事実と虚構の境界 社会的排除の構造 権力と規範の関係 ホロコースト研究:ナチズムのメカニズム アイヒマン裁判の意義 社会学的分析 ユダヤ人迫害の構造 大量殺戮の正当化 記憶と正義2025/03/12

massda

0
図書館の本なので、最終章、福島のところだけ読んで返却した。どうすればいいんだろう? それぞれ皆良かれと思って原発をつくり、原発のお陰で家族でしばらく平和に暮らせていたというところもあるはず。でも廃燃料と事故った時のコストがかかりすぎると私は思う。原発okな人の頭の中ってコスト計算どうなってるのか知りたい。 2025/03/09

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