内容説明
同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば――新潮新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
169
★第172回芥川賞候補作&受賞作、第四弾(4/5)、竹中 優子、初読です。芥川賞受賞作の結果を知らなくても、頁数と内容から、私だったら本書を推しません。またタイトルは、ダンスではなく、ビンタの方が好かったと思います(笑) なお最後の候補作「字滑り」は、単行本化見送りという事で、全5作コンプリート出来ません( ;∀;) https://www.shinchosha.co.jp/book/356081/2025/03/03
シナモン
108
新潮11月号で読了。芥川賞候補作。「好きか嫌いかでいうと好きで、得意か苦手かでいうと苦手」こういう感覚分かる。怖いこともさみしいことも嬉しいことも、生きていくっていろいろある。主人公の目を通して語られる下村さん。お騒がせな感じの印象が読んでいくうちに愛おしく思えてくる。自分の感情に素直な人。読みやすくて良い話だった。 2025/01/06
fwhd8325
90
著者竹中優子さんは、数年前の文学フリマで自主出版作品を直接販売されていました。作品は、小説、詩、エッセイ、短歌と盛りだくさんでした。そしてその作品集のタイトルが「かまぼこ」でした。まじめでいてユーモラスな作風は、この「ダンス」でも感じることができます。太郎が登場する場面からが好きです。そして、時が経ち、いろんな意味で消化した下村さんと主人公。しっかり足跡を感じる文体が心地良いと感じました。2025/03/11
ネギっ子gen
74
【決心をしても、またすぐに迷いますね。生きていると、怖いことが沢山あって】“ダンス”の3連打でなく単数かぁ、と思いながら頁を捲ると冒頭から、<今日こそ三人まとめて往復ビンタしてやろうと堅く心に決めて>ときて、<3人は3人とも出社しておらず、「あ、なんかお休みらしいよ」と垂れ目の山羊みたいな顔をした係長が声をかけてきた。/連絡を入れてきた下村さんに対して係長が優しく「無理しないで、ゆっくり休んで」と声をかけているのを聞いて、山羊のその善良さを私は憎んだ>と。こうした言い回し。好きだ。お気に入り作家に決定!⇒2025/07/01
りゅう☆
71
「三人まとめて往復ビンタをしてやろう」先輩下村さんの同棲中の恋人かまぼこ1が浮気相手かまぼこ2とデキた。同棲解消で休みがちな下村さんの担当業務を押し付けられた私。ある日、下村さんとの距離が縮まり振り回される日々。腹立つけど放っておけない。やっぱりビンタしたいと思う気持ちを素直に言うのが微笑ましい。部署移動で疎遠となり、結婚する時には連絡先も分からず。十数年後の再会で色々な事があった三十代を「いい三十代」と思わせてくれた下村さん。荒れたり、穏やかだったり、爽やかだったり。下村さんって風のような人だと思った。2025/05/28
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