講談社現代新書<br> 睡眠の起源

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader

講談社現代新書
睡眠の起源

  • 著者名:金谷啓之【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 講談社(2024/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065377963

ファイル: /

内容説明

私たちはなぜ眠り、起きるのか?
長い間、生物は「脳を休めるために眠る」と考えられてきた。
それは本当なのだろうか。

新発見!脳をもたない生物ヒドラも眠る――。
世界を驚かせた気鋭の研究者が睡眠と意識の謎に迫る
極上の科学ミステリー!

起きていることは、なんて特別なことだろうか――。
眠りの世界から見えてくる〈生物進化のふしぎ〉

【本書のおもな内容】
●人類は睡眠について何を考えてきたのか?
●眠りが「死の疑似体験」だと解釈された時代
●なぜ寝だめは無意味なのか?
●眠っている脳と起きている脳の違い
●睡眠は「脳を休めるため」ではなかった?
●睡眠を調節する「睡眠圧」と「体内時計」
●眠らない生き物は存在するのか?
●生物の“ほんとうの姿”は眠っている姿
●私たちが眠らなければいけない理由……ほか

【目次】
はじめに――生物はなぜ眠るのか?
第一章 クロアゲハは夜どこにいるのか
第二章 眠りのホメオスタシス
第三章 眠りと時間
第四章 ヒドラという怪物
第五章 眠りのしくみ
第六章 眠りの起源は何か
第七章 眠りと意識

目次

はじめに――生物はなぜ眠るのか?
第一章 クロアゲハは夜どこにいるのか
一匹の青虫
クロアゲハの一日
眠りと死と心
睡眠という現象
脳と睡眠
苦悩に満ちた脳波
眠っている脳と起きている脳
夢みる睡眠
夢の想像力
第二章 眠りのホメオスタシス
ゆりかご効果と睡眠不足
徹夜で試験に臨んだ結果……
人は眠らなかったらどうなるか
動物の断眠
眠りのホメオスタシス
なぜ寝だめは意味がないのか
睡眠物質
第三章 眠りと時間
プラナリアの明暗
体内時計
細胞という工場で
時を刻む遺伝子
睡眠の二過程モデル
第四章 ヒドラという怪物
植物のような動物
二人の父
ヒドラが動かなくなる
研究室というところ
ヒドラも眠るのか?
行動を描く
睡眠の再定義
脳と眠り
光を当てて分かること
昼寝をするクラゲ
第五章 眠りのしくみ
一時間ほどばかりの隣国で
睡眠と遺伝子
眠りの病と遺伝子
種を超えた遺伝子
断眠すると頭がたくさんできる?
一つの真実となる
第六章 眠りの起源は何か
私たちの本来の姿はどちらか
眠らない動物はいるか
泳ぐ神経細胞
睡眠とシナプス
腸が眠くなる?
魚だった私たちは眠っていたか
第七章 眠りと意識
もう一つの眠り
手術と麻酔
全身麻酔の歴史
麻酔と睡眠
吸入麻酔薬はなぜ効くのか分からない
天才生物学者の夢
何が意識か
意識と睡眠の系統発生
系統発生、個体発生と、もう一つの発生
意識の解明に向けて
夜の研究室で
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

111
睡眠に関する本。本書は20代の若き研究者であり、東大院生の初めての著書。「脳をもたないヒドラも眠る」の論文でその筋で脚光を浴びた人物。私たち一般人にも分かりやすく睡眠に関してだけでなく研究者としての私的な軌跡も織り交ぜてストーリー性を持たせ記憶に残りやすい構成に好感が持てる。「睡眠の二過程モデル」は睡眠のタイミングである「体内時計」と睡眠の長さや質を決めている「睡眠圧」なるほどねぇ。睡眠を掘り下げて考えていくと…意識とは何か?生きるとは何か?自我とは何か?と私は思考の迷宮に入っていって寝てしまいそうzzz2025/04/04

アキ

95
著者の研究遍歴は幼稚園から始まる。小学生でアゲハチョウの研究に没頭して、九州大学でヒドラの睡眠について論文を書き、東京大学大学院で睡眠と意識の研究をしている。なぜを突き詰めて論文を読み検証していく過程が、ミステリーを解く楽しさと通底している。睡眠の起源に関する話も興味深い。ヒドラのように中枢神経系がない生き物も眠るということは、なぜ生物は眠るのか、意識とは睡眠状態から派生したものか疑問が尽きない。現時点での睡眠の理論は、体内時計による睡眠のタイミングと、睡眠圧による睡眠の長さと質を決めている二過程モデル。2025/03/01

haruka

36
睡眠とは何か。わたしたちは起きている状態がデフォルトだと勝手に思っているが、ほんとうは生物は眠っている状態がデフォルトだ、という説が近年ある。27歳気鋭の天才学者である著者の考えはこう。 6億年以上昔、生き物はふわふわと漂って生きていたが、あるとき覚醒つまり「意識」を獲得した。意識は生物にとって負担がかかるため、「意識という覚醒のコスト」を清算するために睡眠も進化した。睡眠は起きている間に蓄積したものを解消する行為だから。 鶏が先か卵が先か、睡眠・覚醒という2つの状態は互いに連携しあって発達したのである。2025/02/17

とも

25
睡眠についての本、自身の研究過程とそこから導き出される睡眠と意識についての論考など。 著者の好奇心のままに進み楽しく研究してる様子が見て取れる。半分研究、半分自叙伝で読み物として面白い、そして平易に書かれており読みやすい。睡眠圧と体内時計のロジックは実用的。 睡眠tipsは出てくるがノウハウ本ではない。純粋な研究としての睡眠を知りたい人におすすめ。2025/02/01

アオイトリ

24
最近、自分の睡眠時間が短くなったことが不思議で読んでみた。若き研究者のエッセイでした。子どもの頃、蝶の観察日記を書いたことから生き物の虜になり、研究者の道へ。若いひとが何かに夢中になる姿はワクワクするし、その謎解きは面白い。純粋な好奇心と誠実さに惹かれるのかな。彼の熱意は大学、国境を超えて多くのひとを巻き込んでいく。脳がなくても眠るという、睡眠科学の常識をひっくり返す発見をした彼。クラシック音楽や印象派の絵画にも触れながら、門外漢も楽しめる読み物です。2025/08/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22315080
  • ご注意事項

最近チェックした商品