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内容説明
■ 本書は、ものづくり経営のロングセラー『日本のものづくり哲学』の増補改訂版です。 「ものづくり現場」から発想する戦略論とは何か、なぜ今の日本に必要なのか、どうしたら展開できるか、をまとめました。
■ 著者は、約40年にわたって日本の自動車産業を分析してきた現場主義の経営学者です。
■ 中国企業との競争の考え方、ゴーン改革の評価、提言の検証など、刊行後の動向を踏まえた解題を各章に掲載。
■ ものづくり企業のビジネスパーソンのみならず、政策立案に携わる官僚、成長戦略をアドバイスするコンサルタントにとっても必読の書です。
目次
第1章 迷走した日本のものづくり論
第2章 「強い工場・強い本社」への道
第3章 ものづくりの組織能力――トヨタを例として
第4章 相性のよいアーキテクチャで勝負せよ
第5章 アーキテクチャの産業地政学
第6章 中国との戦略的つきあい方
第7章 ものづくの力を利益に結びつけよ
第8章 ものづくり日本の進路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
5
藤本先生が分析するアーキテクチャの観点から製造業の競争戦略の要諦を論じていく。内容としては、ですます調で書かれており、精緻な論理を展開するというよりは、藤本先生の考えが開陳されているという位置づけで読んでいくのがよいと思う。昨今のDXの進展やITをベースとした破壊的技術の観点については補足して考えていく必要はあるものの、製造業の競争戦略の原理原則をとらえるという意味では非常に良い本だと思う。特に、著者の言う日本企業の特徴である現場の強さを活かした競争戦略を考えるにあたっては非常に良い。2025/03/02
しゅー
5
★★★たぶん昔のバージョンで読んでいる。初読時は「日本が擦り合わせ型のビジネスに強いなんて当たり前じゃん」「やたらとトヨタをヨイショしてるなぁ」と読み飛ばしてしまった。しかし、再読してみて当時の自分の未熟さが恥ずかしい。さらに最近、OODAループの本やPDCAの本でトヨタ生産方式について考えさせられたあとだったので、本書の自動車会社に関する考察を興味深く読むことができた。どのアーキテクチャに強みがあるかは経路依存的に決まる。擦り合わせ過剰な日本はビジネスモデルのどこかにモジュラー要素を組み込んでみるべき。2025/02/01
hori-chan
2
単なるアーキテクチャ論を超えて、ものづくりの本質や組織能力論まで踏み込んでいる本。定期的に読み返したいです。2025/11/15
くらーく
2
復活ですか。藤本先生の本は読んでいたと思うし、東京大学ものづくり経営教育研究センターのディスカッションペーパーを、勤務中にこっそりと眺めていたな。そして、ものづくり寄席を毎回楽しみに聞きに行っていました。藤本先生はいつも時間オーバーでしたね。 本書は、各章の解題だけ。今から振り返っても、考え方は変わらないようですね。良い設計良い流れ。ただ、当時に比べて、ものづくりで残っているのが自動車(しかもトヨタ)だけみたいで、なかなか厳しい。メカニックな風力発電もさっぱりですし。どうしてなのかは分からないけれど。2025/10/04
ara
2
本書では「モジュール型」と「インテグラル型」という2つの言葉で、ものづくりの体系を2分している。 大まかに、日本では「インテグラル型(擦り合わせ型)」、アメリカは「モジュール型(標準型)」。 日本は「強い現場と弱い本社」、アメリカは「強い本社と弱い現場」と言っている。 それ故に、日本は現場は強いが本社戦略が弱いので利益が出ない。 最近は、アメリカ発の生産性や合理性を追い求めすぎていて、「モジュール型」を目指しがちだが、日本が強いのは顧客と一心同体で作りこむモノなので、安易な方向転換は危険と警鐘している。2025/03/24
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