内容説明
二十九歳の凪は、結婚間近だった恋人と別れて悄然としていたある日、御年七十八歳の芙蓉と名乗る美麗な女性に出会い、彼女の持ち家に引っ越して生活を共にすることに。成熟した魅力を持つ芙蓉は「ブルーバード」という結婚相談所で相談役を務めており、婚姻にまつわる様々な悩みを持つ人々の相談にのっている。他人への興味が薄く、「恋」がわからないと思い悩む凪も、芙蓉の手伝いをするうちに少しずつ変化が訪れて――。色とりどりの人間関係を描き出す中で、自分の人生に差し込む光を見つけるための物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いっちゃん
13
読み終えてから表紙、裏表紙をみたら、和菓子を食べたくなること請け合いです。浮気、ワンストライクアウトだよなと思う。いつか許せる日は来るかもだけど。男女の関係性においてはおしまいだと思う。はじめのお話読んで、こんな策を弄する妖怪みたいな義母とうまくやれるはずないだろう。4つお話が入っていて、面白くは読みました。だけど、私とは合わないかな。2025/05/22
uniemo
10
和菓子が食べたくなる小説でした。結婚も幸せも多種多様なことは今なら当たり前のようだけれど結局自分はマジョリティの方なのでこんなにも悩み深いものがあるのだと優しい表現の中からも感じ取れました。2025/07/26
テリトリーM
7
婚約者に裏切られずぶ濡れだった凪に手を差し伸べて拾ってくれたのは凛とした78歳の芙蓉さんだった。彼女と共に食事をしてお茶を飲み、お手伝いをしながらゆっくり暮らしを立て直していく。「好きになることと運命の相手に出会うことは多分違う」後半は「普通の結婚」とは?「普通の家族」とは?が話の中心になってしまってちょっと残念。「相手のことをちゃんと思って心地よく過ごせるために努力する」この当たり前のことを自然にしあえるのが夫婦だと思っていた。そのバランスが崩れてしまった時、私は情なんて吹き飛んでしまった。2025/04/18
ダック
4
恋愛なんて人生のほんの一部でしかないのに、若い頃はどうしてあんなにも一喜一憂していたんだろう。人によってはいくつになっても恋愛なしには生きていけない人もいて、それぞれだよなぁと思う。この本のタイトルどおり、恋じゃなくても誰かを大切に思い信頼関係を築いていけたらいい。2025/02/10
manami
3
家族のつながりや結婚の意味、いろんな生き方があっていいのかも...。表紙のモチーフが和菓子なんだと、読み終わって気がつきました。2025/08/09