内容説明
メシア宣言の直後にイスラームに改宗したシャブタイ・ツヴィは、ユダヤ教の神秘主義者に信仰された。のちにイスラームとキリスト教への集団改宗につながり、「シャブタイ派」は異端の代名詞となる。本書はユダヤ史に暗い影を落とした「シャブタイ派」が、異端狩りの結果によって生み出された現象であることを明らかにする。
目次
序論 歴史記述の呪縛
第I部 破戒と改宗をめぐる葛藤
第1章 シャブタイ・ツヴィの破戒と改宗
一、メシアと預言者の共鳴と離別
二、シャブタイ・ツヴィの「信仰の秘密」
第2章 救済論を後退させるガザのナタン
一、追放された預言者
二、メシアの霊魂の本質と律法の相対化
第3章 アブラハム・カルドーゾが追求した真実の神
一、メシアの救済を夢見た強制改宗ユダヤ人
二、忘れられた真実の神と三位一体への帰結
第II部 ユダヤの内部に渦巻く異端の疑惑
第4章 カバラーの三位一体神学――ネヘミヤ・ハヨーン
一、異端論争の引き金を引いた『神の力の書』
二、『神の力の書』のカバラー神学
第5章 秘教サークルの疑われた啓示――モシェ・ハイム・ルツァット
一、若き神秘家へ向けられた異端の疑惑
二、ガザのナタンの思想を継承したルツァット
第6章 宗教的権威に対する異端の告発――ヨナタン・アイベシッツ
一、破門の応酬と異教徒の介入
二、性愛的創造論に描かれるメシアの新たな役割
第III部 ユダヤからの解放を目指す新しい救済論
第7章 イシュマエルの谷に降りたトルコの改宗者
一、近代トルコにおける改宗者集団の役割と陰謀論
二、改宗者に開かれた救済
第8章 エドムの野に向かったヤコブ・フランク
一、ヤコブ・フランクの来歴とポーランドの改宗者集団
二、改宗を超えた新たな「宗教」
結論 拡張し続ける異端の鎖
後記
参考文献
事項索引
地名索引
人名索引
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