「衣食足りて礼節を知る」は誤りか:戦後のマナー・モラルから考える

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「衣食足りて礼節を知る」は誤りか:戦後のマナー・モラルから考える

  • 著者名:大倉幸宏
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 新評論(2024/12発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794810427

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内容説明

池上彰氏絶賛『「昔はよかった」と言うけれど』待望の続編!

「日本は戦後、急速な経済発展を遂げて豊かになったが、
そのかわり人々の心は貧しくなり、道徳は低下していった」
「災害時や国際的なスポーツの祭典などの際、
日本の人々は常に冷静かつ道徳的にふるまう。モラルの高さがうかがわれる」
この相反する二つの説が、なぜか両立している現代日本。
いったい、日本人のマナー・モラルは高いのか、低いのか?

各種資料をもとに、戦後日本が経済発展を遂げていくなかで、
人々のマナー・モラルがどう変化していったのかを考察。
なかでも日本人が「衣食足りて」の段階へと進んだ昭和30~40年代を中心に、
日本社会の状況を精査。
メンタリティー考察も踏まえつつ、日本人の道徳水準を見る際の視点を提示する。
大好評『「昔はよかった」と言うけれど』待望の続編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

101
これから30年も経つと今を「昔は良かった」と言う時代が来るだろうか。そんなことを思った。そして、『世間』を考えた。広かったり狭かったり・・そんなに気にする必要もないが、ある程度(ここの塩梅が実は難しい)節度は大切。利害関係が絡むと尚の事・・範となる大人が怪しい現実がある。外国の方がこの国を好きでいてくれるのが不思議なくらいだ。国じゃないね、人だよね。人がいて国がある。その舵取りがぐらついてはいないだろうか?2017/08/18

ロア

24
数十年前の日本人は、騒ぐし汚すし暴力も当たり前って人が多かったみたいですよ。実はそんな気質は今もそんなに変わってないけど、同調圧力の高まりによって人目を気にするようになったから、一見するとマナーやモラルが高いように見えてるだけみたい。2016/08/24

C-biscuit

18
図書館で借りる。わかりやすいタイトルであるが、読み進めると日本人は衣食が足りたから礼節ができたのではなく、マナーアップ運動があったように思う。もっとも戦後は食べることが重要であり、それどころでもなかったのも想像できる。今の日本からは考えられない時代であり、昨今の若者の話は、戦後も高度経済成長期も変わらない。若者のSNSなどの問題は昔はラジオの弊害で語られており、変わらない世の中である。時間に正確なのが日本人の特徴かと思いきや、昔はひどかったとの評が載っていた。恥と世間との関係など本質が掴めたように思う。2016/10/04

ATS

15
★★★前著『「昔はよかった」というけれど』では戦前より、現代の方がマナー・モラルが高いということを示した。本著はマナー・モラルがいつから高くなったのか?高くなった原因は何か?ということを多くの文献を渉猟し、導き出そうとしている。考えられるのはインフラ整備、マスメディアの進化などによって「ひろい世間」が拡大(機会論)したためである。簡単にいうと村社会ではみんな知ってる奴ばかりだから、マナー・モラルなんて気にしなくてよかったけど、世間が身近になったからマナー・モラルを守らざるを得なくなってしまったということ。2016/10/24

テツ

14
著者による『昔はよかったというけれど』の続き。データを読み込んでも、街の様子や人の考え方(の記録)を眺めても、どう考えてみても昔はよくなかったということが理解できる。衛生観念もモラルも、自分とは本来関係のない他者へのおもいやりも、そうした近代ではわりとベーシックなものになりつつある感覚の全てにおいて一昔前の日本ってわりと酷かったんだぜという説明。ぼくたちは年老いたときに、その時代の社会に馴染めないなと感じたとしても「昔はよかった」なんて口に出さない人間でありたいですね。2022/07/06

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