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内容説明
ヘーゲルと聞いて、「西洋近代哲学を完成する壮大な体系を打ち立てた哲学者」というイメージを抱く人は多いだろう。しかし、実はこのイメージは専門家の間では過去のものとなっている。では、ヘーゲル哲学とは一体何か? 主著『精神現象学』『大論理学』を解読し、日本では受容が遅れている英語圏でのヘーゲル研究の成果を取り入れながら、著者は「流動性」をキーワードに新たなヘーゲル像を提示する。本書は前提知識を要しない入門書であり、同時にあまりの難解さに挫折してきた多くの読者のための(再)入門書でもある。
目次
はじめに
第一章 『精神現象学』と流動化
第二章 揺れ動く認識
第三章 行為の不確実性
第四章 運動する論理
第五章 本質・根拠・必然性
第六章 概念と弁証法
第七章 ヘーゲル的流動性と現代哲学
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
47
『ヘーゲル哲学に学ぶ 考え抜く力』の感想で、「想定される読者へ向けて、詳細な論証の過程の叙述を回避し、ヘーゲルの思考スタイルの特徴を示すのに専念しているため、論旨自体を理解するのは難しくないが、哲学を扱う著作でロジックを追う部分が割愛され過ぎているところに物足りなさも感じてしまう。この部分のボリュームを増やしたら…というのは、無い物ねだりだろうか。」と書いたのだが、これを補完する素晴らしい一冊。高校の倫理や図式的な哲学史のヘーゲル像が、主著2冊の読解を通じて、「流動性」をキーワードに見事に更新される。2025/02/14
ラウリスタ~
9
まだ30代なのにすごいなあ、頑張ろう。ヘーゲルというみんな知っているし、なんとなく(歴史、弁証法)とかで知っている気になるし、それ以上に藁人形的に批判している大哲学者が、実際にはほとんどイメージされるものとは正反対なものだと主張。堅苦しい、哲学を「完成」させた人ではなく、むしろAではなくB、かと思えばBではなくCというふうに、自分の確信を常に揺り動かしていく、有機体的な生成の過程こそを楽しむ、荒削りで挑戦的な哲学者。分類、差異化することで理解するのが普通だが、ヘーゲルはその二項対立を裏がう(デリダ?)。2025/01/29
TI
8
入門と書いてあるが厳しい。 ヘーゲルの本の内容を書き出しそれを著者がわかりやすい言葉で説明する形式。それでも???状態。 同じ著者でもっと初心者向けのものがあるようなのでそちらを読んでみる予定。2025/02/12
zunzun
5
ヘーゲル哲学の根幹には「流動性」があり、それを踏まえながら彼が生前にかきあげた二冊の本、『精神現象学』と『大論理学』の主要な部分を読んでいく。ヘーゲルといえば、テーゼ(正)、アンチテーゼ(反)、ジンテーゼへとアウフヘーベン(止揚)するというのが特徴といわれる。本書の著者、川瀬和也氏が高校倫理でならったように私ズンダも高校一年生のときに倫理でこれを教わった。ただし、この書で指摘されているのは正と反がお互いぶつかって、消滅するかのように説明されていることは誤っているということである。2024/12/20
stray sheep
4
これでコツを掴んだ気になってヘーゲル原著に突撃すると玉砕するのであろう2025/04/26
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