内容説明
大阪へ
東京からの転居、コロナ禍での先行きの見えない日々。寂寥感と欲望。
生活とイリュージョンの往還からうまれた20篇の物語。
消えた女、死んでしまった友人、家族、行きずりの出会いと別れ。生活をとりまく些細な出来事から湧き上がるエモーション。
パラダイス・ガラージ、豊田道倫&His Band!などの活動で知られるミュージシャン・豊田道倫によって、感傷的な現実と幻想のあわいを溶かすような文体でつづられる待望の短編小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
@nk
44
ふと書影が目に留まり、そのまま発信元の書店(Web)へオーダーしたのは、 本の佇まいに何とも言えぬ香しさを感じたから。読み始めてすぐ、やっぱりだ…と思う。私の20代の大半は新世界や西成にあり、しかも著者のように私も音楽へ傾倒していた。本書に出てくる煙草屋のおばちゃんと女装の『彼』は、あのときの私が言葉を交わした人たちではなかろうか(…コロナ禍の頃が本書の主設定なので、もしかすると違うかもしれないのだけれど)。喫茶店や宿、ドヤ街やライブハウスの情景は、それこそありありと目に浮かべながら読み進めた。⇒2025/02/26
biwacovic
1
Webでの連載は時々読んでいたが、こうやって本になってみると未読のものも多かった。私小説的なものと、全然違う誰かの視点の小説が入り混じる。散漫な感じはせず、現実と幻想が交互に顔を出す感じが好きだ。特に好きなのは『眠剤入りラーメンを食べながら』『二〇二二年十月三十日の夜』『岸さん』など。2024/12/21
sucksuckhello
0
豊田道倫は多くの人が見逃すか、忘れてしまう日常のきらめきを文章にしてみせる。それは一見ソフトで肩肘張らないもののように見えるが、権威的なものに対する厳しい眼差しと、時代の流れに取り残されたものたちへの愛が丁寧に描写されていると思う。大阪万博のすぐ横にこんな世界があるんだということを忘れずにいたい。2025/05/07
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