内容説明
14歳のおれたちは自転車を走らせた。
サッカーの“神”に会うという夢を乗せて。
恋愛、友情、夢、大人への憧れと逃避……。
傑作青春小説。
しっかり者だがどこか流されがちなぺぺ、気弱なオカルト好きのツヨシ、運動神経抜群で人気者のサトル、ムードメーカーのエロ番長・ゴロー。北九州に住む中学生４人組は、いつでも一緒のサッカー仲間だ。そんな彼らのもとに歓喜と絶望のニュースがやって来た。大ファンで、雑誌で見かけてはサッカーの「神」と崇めてきたヨハン・クライフ。彼がオランダ代表で出場するＷ杯が日本初の生中継されるが、九州は放送地域外だという。馬鹿馬鹿しくも時に切ない日々を過ごしながら、4人は“クライフ同盟”の名の下に秘密の計画を進めていく。大型台風が接近する中、放送を見届けることはできるのか？
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
172
サッカーオランダ代表ヨハン·クライフを神と崇める、北九州在住中学生の1974年の夏。W杯西ドイツ大会決勝戦をテレビで観戦するためのチャリンコ大冒険。当時のサブカルや少年たちの日常生活が描かれ、スタンド・バイ・ミー的エモさ。トータル·フットボールのような人生の奥深さが味わい深い。2025/07/26
はにこ
73
うーん、青春だねぇ。本当にこの頃って何でも出来るって思えるし、ちょっとしたことが面白い。少年達のひと夏の冒険。私が生まれる前の福岡の話。今ならどこでも色んな情報を得ることができるけど、それ故にこういう冒険が失われているんだと思う。共に苦難を乗り越えた思い出。きっと一生物だろう。オバサンも少年達の冒険に参加させてもらえた気持ちになった。2025/07/14
たか
58
区切りの一冊は北九州版『スタンド・バイ・ミー』▼1974年夏、北九州市に住む4人の男子中学生。同じサッカー部に所属する4人は、オランダ代表のヨハン・クライフを神と崇める。ワールドカップに出場したオランダ代表はついに決勝進出を決めるが、憧れのクライフの試合は九州では放映されない！ワールドカップ決勝戦を観るために、自転車に跨った少年たちの広島までの冒険の旅が始まった…。▼増山さんは昭和を書くのが本当に上手い！中3男子にありがちなバカな妄想を交えながら、おせっかいな大人たちも魅力的だ。Ｂ＋評価2025/07/02
きょん
48
オランダのサッカー選手ヨハン・クライフに魅せられた４人の中学生。1974年西ドイツでＷ杯が開幕するも当時の日本はサッカーへの関心が低く、新聞にもほとんど結果が載らないとは驚く。福岡山口方面の地理に詳しければもっと感動し楽しめたと思う。気持ちのいい青春小説だった。2025/01/31
Book Lover Mr.Garakuta
45
【おきな書房】【速読】：青春物語を彷彿と味わえる内容で、面白かった。異性に対する憧れやサッカー観たさに長距離の自転車旅は、かなりの内容でよかったですね。2024/12/18
