内容説明
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この春、若者の「退職ブーム」がマスコミを席巻した。退職代行ビジネスを利用して会社を辞める20代の若者が続出し、なかには新卒で入社早々に離職する若者も少なくないというのだ。報道が加熱しているとはいえ、20代の若者が早期に企業を退職する傾向は近年特徴的である。「ブラック企業」の社会化から10年が経つなか、若者の職場、そして若者の意識に何が起きているのだろうか? 「働き方改革」の「反動」で、若者が企業に物足りなさを覚えているという言説まで、まことしやかに語られている。
まず、劣悪な労働条件が依然として横行し、より巧妙にすらなっているという現状があるだろう。また、日本型雇用から変わらない配置転換などの慣行に、キャリア形成の将来が見えないという議論もある。さらには、コロナ禍以降に注目された世界的な現象である、意味の感じられない「ブルシット・ジョブ」への絶望、エッセンシャルワークに象徴される社会的に意味のある仕事への渇望が、日本の若者にも現れているのだろうか。
この潮流に、私たちはどう向き合うべきなのかを多角的に考えたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん
1
冒頭は西谷敏先生を交えた鼎談。社会的有用性、裁量性による仕事のやりがい。やりがい搾取に注意しつつも、『規制が支える自己決定』の考え方には読んでみたいと興味を持った/特集は「退職ブーム」は本当か?ということで退職代行サービスについて。若年雇用促進法による情報開示の影響や「脱出」によって労働市場を変えてい行けるかといった話題/エッセンシャルワークを社会言説にしていけるか。ドイツのパート労働の話が示唆的だった/過労死運動の連載は、今回は初期、東京の家族の会が設立される頃の闘いの記録。胸が熱くなった2024/12/30