内容説明
「人を轢いたかもしれない」
厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだった――
80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。
このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。
さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。
そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。
「あれって――まさか」
疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
280
伊岡 瞬、3作目です。 本書は、最近の時事ネタをテンコ盛りした社会派家族崩壊厭ミステリでした。私の父は、地元新潟で独り暮らし、免許証も返納し、今の所、認知症の症状はありませんが、いつ何時変わるかも知れないリスクを秘めています。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/kageriyuku/2025/01/30
イアン
227
★★★★★★★★☆☆高齢ドライバー問題を扱った伊岡瞬の長編。頑なに免許返納を拒む父・武の運転に不安を覚える高校教師の敏明。平凡ながらも平穏に暮らす彼の生活を一変させたのは、「人を轢いたかもしれない」という武の告白だった――。厳格だった父の背後に浮かぶ謎多き女。誰が何の目的でドライブレコーダーの画像を消去したのか。高齢ドライバー問題だけでなく、介護や引きこもりなどの社会問題を絡めながら物語は不穏さを増していく。真相が明かされるのが認知症患者の手記とは些か安直な気もするが、保身に走る男の焦燥がよく描けていた。2025/07/19
いつでも母さん
178
高齢ドライバーの免許証返納問題と認知症を絡めた家族の話。元校長で80目前の父親・武の言動にドキドキしつつ、同じく教員の息子・敏明にイライラしながら読んだ。車のキズが気になり、それと同じ頃認知症も疑った数年前の我が母の事を思い出す。これは紛れもなくこの社会の現実だ。家族は堪らない。息子であり尚且つ夫であり、父親でもある敏明に違和感と嫌悪感しかない。駄目だわこいつ!2025/01/20
のりすけ
166
歳を取った父親の運転問題。認知症疑惑。もしかして人身事故ってる?女に騙されてる?といろいろ悩む主人公。悩む割には優先順位が「自分と父親の立場」で、まぁ大変ですなぁ、と言う気にはなるものの、もっと家族(奥様)と話し合ってれば違う道もみつけられたかもなのに。故にラストは、まぁそりゃそうなるわな―って感じ。私自身が「ボケ始まってるんちゃうか」と思うことが多々あるので、しっかり気をつけねば!と思う今日この頃なのだ。読んでて、とてもしんどかった。毎日「メガネメガネ?」と横山やすし状態なので自分がコワイ。2025/10/05
hirokun
144
★4 伊岡瞬さんの社会派推理小説。高齢化に伴う認知症、富裕高齢者を対象にした詐欺・殺害、高齢者ドライバー問題など極めて時代にマッチしたテーマを取り上げ、少し分かり難い部分もあったが、推理小説として成り立たせている作品。非常に多くの部分で、私自身切実に感じるところが多く、自身に置き換えながら読み進めた。私が望んでいることは、今後の家族の幸せであり、それが次の世代に対する責任だと思う。2025/01/13
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