内容説明
一度は父のため、二度は母のため……発心の阿波から修行の土佐、菩提の伊予から涅槃の讃岐へ、歩き遍路はただ歩く。30度を超える連日の猛暑に土砂降りの雨、にわかに降りだした雪。転倒によるケガや山中での道迷いなど相次ぐアクシデントに見舞われながらも、またふたたび歩き出す。自身の半生を振り返りながら、数知れない巡礼者の悲しみとともに巡る一〇八札所・1600キロの秋の遍路道、結願までの同行二人。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
明るい表通りで🎶
59
「人生の最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転んでも起き上がることにあるのだ」ネルソン・マンデラ。「荷物の量は不安の量。あなたが不安と闘って不安を捨てることができたとき、荷物は減る……」。背に負ったり重い荷物にあえぎながら、身体のいたみに耐えながら巡礼者は歩き継ぐ。人はみな旅人で、それぞれに違う背景知識を持ちながらも結局は同じところへ向かって歩いて行いる。歩いているこの途上こそ、いや「歩く」という行為こそが即「生きる」ことであり、すべての根本ではないか。 2025/06/03
それいゆ
20
黛まどかさんは24年前にサンティアゴ巡礼路を歩いたということですが、私たち夫婦は12年前にサリアからサンティアゴ・デ・コンポステラまでの100kmを1週間かけて歩きました。世界遺産に登録後は観光地になってしまっている巡礼路みたいですが、12年前はそんなことはなく、その日にたどり着いた街で宿をさがし、予約をしたのは最終日のサンティアゴのホテルだけでした。大聖堂前広場に着いた巡礼者たちは、だれもが感激の涙にあふれていました。2025/03/16
ikedama99
11
本から呼び止められたような感じで手に取って購入。お遍路の本は読みたくなるのは、その人その人で感じることが違うからだとは思う。筆者としては2回目の歩き遍路、そして以前に「スペイン巡礼」なども経験していることも、文章のはしはしに出てくる感じだ。その比較も面白い。また、その経験のせいか、外国人とのコンタクトがとても多い感じがした。また、般若心経がよく登場する。そして、俳人なのでご本人の俳句や筆者の父親の俳句も登場するが、それも「うん」とうなずける俳句が多かった。また読み直したい。2025/05/27
チェアー
9
遍路旅は寺を巡ることが目的なのではない。歩く過程が大切なのだと改めて感じた。私たちは本当に必要なものと暮らしているのか。本当に必要なものを失くしても気がついていないのではないか。例えば大切な人のこと。 2025/02/19
ベンアル
8
図書館本。詩人である著者が父を亡くして、6年ぶり二度目の四国遍路に挑む。炎天下の中、1800kmの道中を電車を使わずに歩くなんて凄い。自分も少しずつ遍路に行ってみようかな。2025/03/12
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