新潮選書<br> 脂肪と人類―渇望と嫌悪の歴史―(新潮選書)

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新潮選書
脂肪と人類―渇望と嫌悪の歴史―(新潮選書)

  • 著者名:イェンヌ・ダムベリ【著】/久山葉子【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 新潮社(2025/01発売)
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  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106039218

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内容説明

脂肪は命そのものだ。私たちの祖先は肉よりも、脂肪たっぷりの骨髄や脳、内臓を求めて狩りをした。それが忌避すべき栄養素になったのはなぜか。著者は世界各地の脂肪料理を味わい、神話のなかの乳を追い、酪農や畜産の歴史を調べ、味覚や健康の面からもアプローチ。石器時代から続く脂肪と人類の複雑な関係を描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

128
脂肪は悪の象徴とされる現代だが、人類の歴史の大半では強く求められてきた。昔は金持ちか権力者しかとれなかったし、栄養素や食品の原材料としては不可欠なのだから。しかし肥満が醜さと欲望の具現化とされると、反脂肪主義こそ正義とされてしまったプロセスを豊富な知識とエピソードで明らかにしていく。愛憎ただならぬ関係を長く続けてきた人類と脂肪の歴史は、いわば別れたくても別れられない男女のようなものか。実は焼肉屋では無性に脂肪を食べたくなってしまう私としては、「食べたい、でも痩せたい」を解くカギを見つけてほしいと切に願う。2025/03/14

harumi

21
ポテトチップスが体に悪いと言われているのはなぜか、この本を読んで納得した。現代では脂肪はあまりいい扱い方をされていないが、サルからヒトに進化する過程で脂肪の果たした役割は無視できないこと、飽食の時代を迎えるまで、食うや食わずの時代に人間がどれほど脂肪に助けられてきたか。昔から言われているように、出来るだけ多くの種類の食品を満遍なく摂ることが大切。「色々なものを食べるほど間違った食生活のリスクを分散できる。今の私たちにはそれを実現できるだけの機会が与えられているわけだから」著者の脂肪への愛が溢れている。2025/08/12

taku

19
脂質は必要不可欠。しかし生活が豊かになると、摂りすぎ溜めすぎが問題になる。どんな栄養素も過剰になれば肉体を蝕む悪魔だ。何を摂ると良くて何が悪いのか、踊らされないために正しい情報を入手したい。それで正しい選択が出来るほど人間は合理的じゃないけど。歴史と食文化、健康や栄養の観点から脂肪の重要性を再確認できる。ハッとするほどの気付きはなかったが、うまく付き合っていかなければと思う内容だ。報酬系を刺激する天使「脂」に身を任せ、生きる手応えを感じよう。適度にな。2025/02/22

いざなぎのみこと

16
脂肪…それは魅惑の栄養源。人類が火を使い始めてから、肉や野菜を彩り、摂取されてきた歴史を持つ。時には繁栄の証としての飽食の代名詞として、時には健康を害する悪しき材料として、脂肪がヒトの文化と切っても切れない関係であることを改めて認識する一冊。日本は仏教の関係からなかなか食することが少なかったのでしょうが、西洋の歴史は紀元前にまで遡るというのに驚きです。考えてみれば聖書にも表記がありましたね。他にも美味しそうな脂食材が山ほど紹介されていますので、美食家の方はぜひ。2025/05/29

乱読家 護る会支持!

8
脂肪は人類の生存に不可欠なエネルギー源であり、むかしの人たちは、肉よりも脂肪の多い骨髄や脳、内臓を求めて狩りをしていた《「渇望」の時代》。 しかし今では、健康を害するものとして忌避される対象となった《「忌避」の時代》。 ⚫︎人間の脳のエネルギー消費は、他の動物の比べて不自然に大きい。そんな人間の脳のエネルギー消費を支えてきたのか脂肪である。 ⚫︎女性は生殖の観点から、男性よりも脂肪を備蓄していくことは重要だった。 ⚫︎バターとチーズは神への捧げ物であり、女性が苦労してつくりあげたもの。2025/03/27

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