内容説明
1994年、緑のジャングルと茶色い川をかかえる亜熱帯の町に、理解不能な言葉を話す9歳から13歳の子どもたちの集団がどこからともなく現れた。その存在は徐々に大人たちの日常に罅を入れていき、やがてスーパー襲撃事件という大事件を起こす。そして数ヶ月後、32人の子どもたちは一斉に命を落とすに至った──。社会福祉課長としてこの出来事に関わった語り手が、22年後のいま語る、その顛末。現代スペインを代表する作家が描く、子どものかわいらしさと暴力性、野生と文明、そして保護と支配。一読忘れがたき恐るべき寓話が、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
14
初読スペイン作家。ジャングルと茶色い河をかかえる、亜熱帯にある架空の町サンクリストバル。その町にいつの間にか現れた32人の浮浪児たち。やがて一斉に命を落とすことになる、お互いに理解不能な言葉で会話する9歳から13歳までの子供たち。彼らが起こす暴力的な事件に町は混乱し…。正体不明の子供たちに対する市の対応や大人たちの反応。彼らにある種の憧れを抱く町の子どもたちと親たちの不安。短い話ながら、大人と子どもの世界やルールの違い。幻想からの反転と過剰反応が起こした結末。様々な要素が織り込まれた寓話で面白かった2025/06/16
ふるい
10
二十二年前、サンクリストバル(架空の街)で起こった三十二人の子どもたちによるスーパーマーケット襲撃事件とその末路が、社会福祉課職員の男性の視点から書かれている。特異な設定だが、未知のものに対するコントロール不能の反応(恐怖、憎悪、支配欲)は、この世のあらゆる場所で起こっているように思える。2025/02/01
Katsuto Yoshinaga
9
1994年、サンクリストバルという亜熱帯の架空の街に、9〜13歳の32人の子供たちが、どこからともなく現れる。そこで起きた出来事や事件、顛末を当時の社会福祉課の課長が、22年後に語るという体裁のノンフィクション風寓話。「馴らすとは関係を作ること」「俺は君を必要としていないし、君も俺が必要じゃない。でも、君が俺を馴らしたら、俺たちはお互いが必要になる」とある。本作は”馴らされていないもの”と”馴らしていないもの”のディスコミュニケーションのような不穏さが溢れている。ただ、なぜか凄く読みにくい作品だった。2026/02/18
ふゆきち
3
超常現象はなくても得体の知れなさが怖い一冊。ノンフィクションかのような書き方がマッチしています。2025/06/12
nino
2
異なる言葉を話す異質な集団。 こちらの常識が通じない。 こうだと思っているものが裏切られる。 いつの間にか現れ、日常を徐々に侵食していく。 私たちの子供ではないから、ということで区切られる。 私たちには、何ができるんだろうね。2025/10/04




