内容説明
謎を愛し推理を愛する読者の皆様は、ここにある六つの小説の問題編を読んで、真相に辿り着けるでしょうか。事件を解決に導くために必要な手掛かりは、紙上の名探偵たち同様、既に手渡されています。冷静な観察と論理的思考、そしてすこしの想像力を駆使すれば、犯人を、そして小説の向こう側にいる作者をも出し抜くことができるかもしれません。謎を解き明かす愉しさを、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。六人の推理作家からの挑戦状は、たった一行──犯人は誰か? 豪華作家陣の犯人当て小説アンソロジー。/【目次】市川憂人「赤鉛筆は要らない」雪の夜の邸宅で起きた殺人/米澤穂信「伯林あげぱんの謎」当たりのお菓子を食べたのはだれ?/東川篤哉「アリバイのある容疑者たち」容疑者全員に犯行不可能/麻耶雄嵩「紅葉の錦」異色にして正統の○○○+犯人当て/法月綸太郎「心理的瑕疵あり」事故物件をめぐって相次ぐ死の真相は/白井智之「尻の青い死体」ホラー映画の撮影中に起きた殺人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
52
6人の推理作家によるオムニバス中編集。東川さんはいつものようにユーモアミステリ。家の金庫から盗まれた茶碗を盗ったのは誰かを、探偵の手代木に依頼する。解決後のAIによる愚痴が楽しく、列車によってアリバイが変わるという条件が面白い。麻耶さんはお久しぶりの名探偵木更津悠也の登場。相変わらず遊び心がある飄々とした佇まいだが、被害者が誰か分からない状態で推理していくスタイルは珍しい。そしてラストのゾワッとさせる描写も。法月綸太郎は事故物件で死んだ男の犯人当て。現場に監視カメラがあることで3人の中から1人を絞る作業。2025/04/12
あゆみらい
19
購入本。文庫のほうです。 読むのに集中力が必要だった。なかなか登場人物が覚えられなくて、推理小説の短編集が苦手。2025/03/27
lucifer
15
「赤鉛筆は要らない」のみ既読。最近はなかなか犯人当てがある作品が少ないなか、錚々たるメンツによる挑戦状!受けて立たずにはいられない!と、意気込んで読んだが結果は惨敗。駄目だ論理的思考力がだだ下がりしとる。と言うことがわかった。それだけかなりロジカルな作品ばかりで、尚且つそれぞれのカラーが出てて全話面白かった。けど、それでもNo.1を上げろと言われたら、「紅葉の錦」かな。2025/03/13
小梅さん。
11
名探偵にはなれそうもないけど、読者への挑戦がはさまれた作品は大好き。 推理に必要なものが全て提示されてからの真相の開示。 うん、楽しい。 東川篤哉と麻耶雄嵩や法月林太郎を1冊で読めるのはアンソロジーならではの贅沢さ。この、ある意味真逆ともいえる作品を立て続けに楽しませてもらった。 麻耶さんの作品は、ミステリはミステリでも、推理小説でない方のミステリっぽくてぞくぞくしたし、法月作品は親子で軽口たたいてるようでいて、なかなかに重いし。 市川憂人さんは、たぶん、初読み。雪の密室で、ちょっと切ないラストがよかった2025/01/20
ロロノア・ゾロ
10
一言「御馳走でした』 六人のミステリー作家による犯人当て短編集。皆さん、ミステリー界を代表する著名な方々で非常に楽しかった。個性が全開しているし、どれも緻密に練られた作品で満足させて頂きました。これだけ世にミステリーが溢れているのに次々と新たなミステリーが生まれるのは感謝しかない。こんなに楽しい時間が永遠と続けられることにも感謝する!もっと驚くほどのミステリーを書いてください。もっと胸が苦しくなるミステリーを読ませてください。個人的には早くミステリー小説1,000冊読破しなければと強く思った。楽しかった。2025/02/21
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