内容説明
1939年パリ。20歳のオディールは、アメリカ図書館の司書に採用された。本好きな彼女は女性館長や同僚、個性豊かな図書館利用者たちとの絆を深めていく。やがてドイツとの戦争が始まり、図書館は病院や戦地にいる兵士に本を送るプロジェクトを開始する。だがドイツ軍がパリを占領し、ユダヤ人の利用者に危機が訪れ……。1983年アメリカ。12歳の少女リリーは、“戦争花嫁”と呼ばれる孤独な隣人オディールの謎めいた過去が気になりはじめ……。ある女性の人生を通して、人々にかけがえのない本を届け続けた図書館員たちの勇気を伝える感動作。/解説=山崎まどか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NakaTaka
8
久しぶりに読み応えのある小説を読んだ。舞台は第二次世界大戦時のパリのアメリカ図書館と1980年代のアメリカ西部モンタナ州の小さな町。主人公オディールの若い頃図書館勤務していた時代と高齢となった現在。第二次世界大戦時、パリはナチスの占領下にあり、閉鎖せざるを得ない図書館もあった。そのような状況下でアメリカ図書館はどうだったのか?実話を元に緊迫感を伴いながら話は進む。一方、こんなに図書館を愛する主人公がなぜアメリカに来たのか?他人と相容れないオディールに、隣に住むリリーが次第に関わっていく。人間の弱さ強さ。2025/05/01
バーニング
3
フランスにおける戦時下の図書館で働く女性たちの悲しくも美しい物語、かと思いきやもっとドロドロとした人間関係のお話だった。ただ変にきれいに書くよりは、あり得そうなリアリティに根差していてよかったと思うし、美しいだけでは生きていけないことをよく知っている人たちだったのだろう。ただ時々挿入される1980年代モンタナのパートが必要だったかどうかは良くわからない。最後は少し感動的でもあったけれど。 https://medium.com/@burningsan/b9d823d8d3532025/02/10
ボケンセ
2
史実を元に創作された小説で、フランスのパリにあるアメリカ図書館とアメリカのモンタナという二つの場所を舞台に過去と現代を二人の主人公がそれぞれの視点で、それぞれの想いや感情が時折交差しながら紡がれる物語は、読み手をある時はナチスドイツ占領下のドイツへまたある時は現代のモンタナへと誘い、ナチスの影に怯えながらも毅然とした態度で図書館を運営する司書達の勇気に感動したり、友情の大切さや人生の難しさを主人公と共に追体験したりと読み応えのある一冊です。2025/08/06
Kom
2
戦時下のパリの図書館という特異なシチュエーション。パリ解放後に不幸が訪れたり、ナチスのフックスが「図書館の守護者」だったりと、色々考えさせられる。2025/05/20
しい☆
2
第二次世界大戦中のパリにあるアメリカ図書館の話。パリをドイツ軍が占領していた時に、さまざまな危険の中 開館し続け、本を届けるサ-ビスを普通の図書館員達がしていた事実。とても読み応えがあった。戦時中のパリ市民の暮らしぶりについて読むのは初めて。ロンドンとはずいぶん違った感じ。そしてナチスとの様々な出来事は本当に怖かった。オディールやリリーや他の登場人物像がかなりリアルで、そこも面白かった。それにしても。もし戦争が無かったら、をどうしても考えてしまう。戦争が人を変えてしまう。2025/04/03
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