ちくま文庫<br> ストリートの思想 増補新版

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ちくま文庫
ストリートの思想 増補新版

  • 著者名:毛利嘉孝【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480439567

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内容説明

イデオロギーによる旧来の党派的「動員」とは異なる、自律性を帯びた資本/権力への抵抗運動はどのように現れたのか? パンクやニューウェイヴなど80年代のインディーズ文化を源流とし、90年代のサウンドデモや「素人の乱」を経て、3.11後の反原発・反政府・反グローバル資本主義デモへといたる地下水脈を読み解くオルタナティヴ思想史。2010~20年代の動きを増補して文庫化。

目次

序章 「ストリートの思想」とは何か/五月の祝祭/「政治」という領域の変容/「ゴリゴリの左翼」? /「左翼」の敗北/伝統的な左翼知識人の終焉/「左翼的なもの」から「ストリート」へ/「ストリートの思想」をめぐるマトリクス/ストリート的イメージとオタク的思想/ロスジェネ論壇との違い/本書の構成/第一章 前史としての80年代──「社会の分断」とポストモダン/ガタリ来日/山谷を歩くガタリ/山谷からシモキタへ/80年代は「スカ」だったのか? /増殖する80年代論/当事者でもなく、観察者でもなく/ポストモダン思想からニューアカデミズムへ/人文学の危機/脱政治化されたポストモダン理論/「愚鈍な左翼」と「ポストモダニスト」/フォーディズムからポスト・フォーディズムへ/「政治」から「サブカルチャー」へ/パンクロックとDiY的インディーズ文化/時間と空間の圧縮/サカエのつぶやき/EP‐4とじゃがたら/ストリートを乗っ取るEP‐4/サブカルチャーのシチュアシオニスト的実践/寿町のフリーコンサート/対抗的ダンスカルチャー/坂本龍一とインディーズシーン/田中康夫の戦略/新・階層消費の時代と対抗的な実践/でも・デモ・DEMO/第二章 90年代の転換1──知の再編成/制度化されるポストモダニズム/大学における人文知の再編/湾岸戦争への反対声明/公的知識人の変貌/オウム真理教事件/社会工学的な知の台頭/思想や政治のエンターテインメント化/イギリス留学の準備/「カルチュラル・スタディーズ」との出会い/文化研究の三つの流れ/英米の文化研究の発展と制度化/文化研究のグローバル化とローカル化/「カルチュラル・スタディーズ」と「文化研究」/シンポジウム「カルチュラル・スタディーズとの対話」/ラディカルを飼い慣らす/輸出産業としての「カルチュラル・スタディーズ」/人文学と地域研究への影響/ポストモダン思想の再評価/カルチュラル・タイフーン/第三章 90年代の転換2──大学からストリートへ/「フリーター的なもの」と90年代/「いのけん」の登場/交錯点としての代々木公園/公共圏の変容/「ストリートの思想」の胎動/転換期としての95年/橋本政権「六大改革」/新宿ダンボールハウス村/「寄せ場」化する日本/集合的表現の始まり/『現代思想』の「ストリート・カルチャー」特集/「だめ連」的なものの登場/第四章 ストリートを取り戻せ!──ゼロ年代の政治運動/〈帝国〉の時代/低迷する左派論壇/イラク反戦運動と「ストリートの思想家」/シアトルの反WTO運動/プロレタリアートからマルチチュードへ/「生権力」への対抗運動/同時多発的で前衛なき運動/「言うこと聞くよな奴らじゃないぞ」/言語的公共圏の転回/起源としてのパンク・ニューウェイヴ/ネットとストリートの器用仕事人/文化人類学へのポストモダン的問い/「なりそこないの文化人類学者」の試み/祝祭から再び日常へ/「素人の乱」と日常的な実践/日常を祝祭空間に変える/お笑いへの感性/SAVE the下北沢/街を防衛する/「ストリート」を支える情報インフラ/ゆるやかに開かれたコミュニティ/第五章 抵抗するフリーター世代──10年代に向けて/年越し派遣村とメディア報道/湯浅誠の軌跡/246表現者会議/渋谷・宮下公園の有料化計画/キャッチコピーは〈JUST DOITE?〉/「ストリートの思想」とロストジェネレーション/赤木智弘の左翼批判/ロスジェネ論客の共通点/唯一の「敵」を名指すこと/階級・世代を超えた開放性/「ポッセ」の力/ストリート、自由、自律、そしてアート/増補 ストリートの思想2024/群衆の時代としての2010年代──「素人の乱」からSEALDsへ/東アジアの「群衆の政治」の広がり/「群衆の政治」の終わり? /「群衆の政治」の変容/プロテスト・レイヴとパレスチナ支援運動/抗議運動の多様化──ウォーターメロン・アライアンス/さらに多様化する社会運動のアクター/グローバル化する「素人の乱」/マヌケが世界を変える?/アジアのなかの松本哉/トランスナショナルな交流の場の創出──なんとかBAR、マヌケ宿泊所、NO LIMIT/版画を通じた東アジアのネットワークの広がり──IRAとA3BC/2024年の「だめ連」/地方へ・都市を離れて/隙間を失いつつある東京/「ストリートの思想」はどこにいくのか? /「ストリートの思想」を知るためのブックガイド/あとがき/増補新版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

17
ちくま文庫ひと月前の新刊。著者は私と2歳しか違わないので、同じ時代を生きた痕跡(パルコ、ビックリハウス、香山リカ、浅田彰etc)が有り、理解が進んだ。ストリートカルチャーの本拠地として、高円寺の「素人の乱」がしばしば登場。同時期刊行の「世界マヌケ反乱の手引書」[素人の乱の店主、松本哉著]も既に読了してたのでオルタナティブ思想史を楽しく理解出来た。文化特に音楽関係が、坂本龍一、EP-4、じゃがたらなどに触れられて面白い。だめ連の存在が大きく、増補分では中心人物のぺぺ長谷川の23年の死についても言及している。2024/10/20

かんがく

12
グローバルに展開する新自由主義に対して、街で群衆たちによって発生する思想、カルチャー、運動を分析していく。80年代〜00年代を扱った本に、10〜20年代を扱った増補を加える。論考としては面白かったが、ここで扱われている芸術表現と政治活動を織り交ぜた運動のノリに、どこかダサさを感じてしまう。2024/10/04

Wassssup_mymen

3
まさに路上の思想を言語化した一冊。2000年代前半の閉塞した空気感へのカウンター的な運動だったり、カルチュラルスタディの実例を挙げていたりで自分が幼少時代に客観的に見ていたニュース映像の一種の答え合わせのような気がした。増補版で述べられているような隙間のない都市はひしひしと感じながらも常にストリートがあるという意識を思い出させてくれる。「反骨」や「アナーキズム」で片してしまうのは勿体無い。この思想を意識できることに感謝しよう。2025/02/18

Go Extreme

3
ストリートの思想とは:  政治という領域の変容 伝統的左翼知識人の終焉 左翼的なもの→ストリート オタク的思想 前史としての80年代: 増殖する八〇年代論 ポストモダン思想→ニューアカデミズム 人文学の危機 政治→サブカルチャー 時間と空間の圧縮 90年代の転換: 公的知識人の変貌 オウム真理教事件 カルチュラル・スタディーズ 橋本政権・六大改革 ストリートを取り戻せ―ゼロ年代の政治運動 抵抗するフリーター世代―10年代に向けて ストリートの思想2024: 抗議運動の多様化 グローバル化する素人の乱2024/10/04

うんとこしょ

2
ストリートそのものが運動である──翻って言えば、運動なきストリートは存在し得ない、これが著者の核心だろう。ストリートとは、資本の命令にしたがって群衆を秩序付ける都市のなかに、民衆の叛乱=氾濫が出没する瞬間なのだ。有機的知識人とは、その叛乱=氾濫を組織化すべく任務を遂行する者である。その任務は、日常生活批判を内包する民衆の情動=カルチャーを読み解いたとき、現れるものである──著者は言う、文化研究とは、有機的知識人の組織化の技法たるべきだと。ストリートの思想とは、〈風景の死滅〉(松田政男)に挑戦する思想なのだ2024/12/17

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