内容説明
京・関東の争乱が東海に及ぶと、幕府重臣の吉良・斯波・土岐氏の影響力は低下。今川・織田・斎藤氏の覇権争いが続き、松平・水野氏ら地域権力も頭角をあらわす。宗教や武家文芸にも着目して描く〈天下人〉誕生の前史。
感想・レビュー
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MUNEKAZ
14
信長や家康の祖父や父世代の時代を扱う。尾張の斯波、三河の吉良といった「戦国時代にはオワコン」な室町守護たちが、まだギリギリ影響力を保っているところが面白い。遠江を巡り今川とバチバチに争う斯波氏、しぶとく反今川の旗頭を務める吉良氏など、なんとかもうひと踏ん張りしたら今川や武田みたく守護から戦国大名に脱皮出来たんじゃないかと思いつつ、でも無理かなぁとも納得する。あと美濃の斎藤氏に対する、周辺勢力の実に冷淡な様子も印象深い。成り上がり者に対する冷たさは、元気な守護家と併せてまだまだ室町秩序が生きていた証である。2024/09/20
Ryuji Saito
1
2024年75冊目。2024/10/27