内容説明
足利将軍は、京都と鎌倉を結ぶ政治経済の動脈として東海諸国を重視した。東海各国の守護・奉公衆・国人の具体的な動向に加え、荘園や山岳信仰、窯業、自然災害など、室町期東海の地域的な特徴を詳しく取り上げる。
感想・レビュー
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MUNEKAZ
16
狭義の室町時代とも言うべき15世紀がメイン。守護権力が安定した時代かと思いきや、関東での享徳の乱、畿内での応仁の乱の影響を受け、東海地方もエラいことになっている。そしてその混乱から今川は戦国大名への飛躍を掴み、土岐と斯波は自壊の末に下剋上を喰らうのである。また尾張、美濃、三河には幕府奉公衆の領地が多数設定されているのも印象的。守護の力が弱く支配を貫徹出来ない辺りに、松平氏ら新興勢力が出やすい秘訣があったのではないか。時節柄、中世の南海トラフ地震に言及しているのも興味深い。2024/08/28
Ryuji Saito
1
2024年74冊目。2024/10/27