内容説明
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コロナ禍によって前景にせり出した公衆衛生と個人の自由との相克という問題は、古くて新しい哲学的問いである。古代から繰り返されてきた疫病を前にして、「社会を防衛しなくてはならない」という思想はいかにして生まれ、集団での予防と個人の自由のせめぎあいはどのように論じられたのか。さらには、病原体、マスク、ワクチン、治療薬、患者、健康人、医療者、統計データが織りなす世界の多様性を、哲学はいかにして思考できるか。倫理学的であると同時に、存在論的な問題設定のアリーナがそこに開かれる。
目次
第1章 公衆の健康とは何か―公衆衛生の系譜学
第2章 公衆衛生の倫理―健康、社会、そして自由を守るために
第3章 個人の集団、集合体(ホロビオント)の集団―パンデミックが照らし出す二つの集合性
第4章 デジタル化と社会防衛―医療・健康・身体情報の利活用と生政治、規律権力、そしてジェンダー・ポリティクス
責任編者解題
引用・参照文献
責任編者・執筆者紹介
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buuupuuu
21
公衆衛生について考える際に、生権力についてのフーコーの思考が大きな資源となっているようだ。生権力は二つのルートで働く。一つは集団を集団として扱うもので、統計的な手法などが援用される。もう一つは規範の内面化や行動様式の獲得といった形で個人に働きかけるものである。公衆衛生において介入の対象となる集団のくくり方には恣意的なところがあり、目の粗さも無視できない。またその取り組みがどのような主体によって何を目的としてなされているのかということも重要だ。こういったことはコロナ禍で私たちが問題にしたことでもある。2024/08/17
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