人類と時間 - 時計職人が綴る小さくも壮大な歴史

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人類と時間 - 時計職人が綴る小さくも壮大な歴史

  • 著者名:レベッカ・ストラザーズ/山田美明
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 柏書房(2024/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784760155804

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内容説明

一つひとつの傷、
過去の修理人が見えないところに残した跡……

希少な女性職人の手と目を通して、
人類と時間の歴史が見えてくる!

【内容】
時計――時間を計る小さな機械の発明は、人間の文化にとって、印刷機と同じぐらい重要な意味を有していた。最初期の装置(骨でつくったもの、影を調べるもの、水や火や砂を流すものなど)を経て、のちの発明家たちが自然の動力と工学とを結びつけたことから新たな機械装置である大時計が生まれた。そしてさらなる技術の進歩の末に、時計はついに携帯可能なものとなり、世界を征服できるほどの正確さを獲得していく(人間とともに、エヴェレストの頂上やマリアナ海溝の深淵、北極や南極はおろか月にまでたどり着く)。

本書では、イギリス史上初めて「時計学」の博士号を取得した時計師となった著者が、その歴史をひもときながら、知られざる時計製造の世界へと読者を導いていく。登場する時計の多くは、著者が実際に扱ったもの、修理したものであり、そこからは小さな個人の歴史も立ち上がってくるだろう。

“自分が生まれる前につくられた時計、メンテナンスをすれば自分が死んだあとも数世紀にわたり生き続けるであろう時計、それらが紡ぐ物語の新たな一章に自分がなることを意識しながら、私はそこにある命の証を拾い集める。時計職人とはつまり、これらの製品を守り、その歴史を吸収し、新たな人間とのつながりを生み出す準備をする管理人なのである。”
――「後ろ向きの前書き」より

宗教、交易、探検、帝国、労働、階級、ジェンダー、戦争、死生観、技術革新……携帯可能な機械が、この世界を動かしてきた。飛ぶような速さで過ぎていき、ナノ秒単位で測られるようになった現代的時間の中で、自分のペースで時間と向き合う読書体験をあなたに。

【図版について】
◎口絵には、貴重で美麗なフルカラー写真14点を掲載!
16世紀の置き時計、17世紀半ばに人気を博した「形態時計」、18世紀に流通し時計産業のあり方を一変させた「オランダ偽造品」、ブレゲが発明した初期の自動巻き時計(ペルペチュエル)など。

◎本文には、手仕事を感じさせる挿絵40点近くを掲載!
カバー含め、イラストはすべて工房「ストラザーズ・ウォッチメーカーズ」共同設立者にして、著者と同じ時計職人である夫のクレイグ・ストラザーズが手がけたもの。

目次

後ろ向きの前書き――ジェフ 1971年3月10日

1 太陽を追う
2 精巧な装置
3 光陰矢のごとし
4 黄金時代
5 時間を偽造する
6 革命の時間
7 時計に合わせて働く
8 冒険に連れ添う時計
9 加速する時間
10 人間と機械
11 瀬戸際

時計の修理の仕方――大まかな(かつ個人的な)手引き
用語集
謝辞

原注
参考文献
その他の情報源
写真クレジット

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

65
書店を物色しててたまたま目にした。時計職人の本。しかも、著者名のレベッカでも分かるように、女性だ。職人なんて我輩にはまさに対極の世界。息を潜めて目を凝らして……夢中になって何とか完成して気が付いたら何日も何ヵ月も何年も経っていたと気付くような、まさに渾身の手先の仕事。だけど、全身全霊の仕事。読まずに居られなかった。時を意識し時を測る技術に制される世界。時からは人は解放されることはありえない。そのことの意味する深甚さは想像を絶するものがある。それはそれとして、時計職人の息遣いだけは真率そのものだ。2025/11/19

スコットレック

7
あって当たり前の存在であり、なくてはならない道具、時計。その時計にまつわる壮大な物語。時計の進化により、人類の生活、価値観、そして戦争が変わってきた。 時計はただ単に時間を確認するだけでなく、そこに本来の使い方以外の価値、思いがあるのだと本書を読んで気付かされた。 時計は今もこれからも Apple Watchのようなデバイスが席巻していくと思うが、昔ながらの機械式時計も変わらない価値観を残しながら愛されていくのだと思う。 著者の方の人柄がこの本自身にも伝わっているというか、読んでいて温かい気持ちになれた。2025/07/04

ぱうあたん

3
普段手に取らないジャンルを求めたら辿り着いた。書き出しが「後ろ向きの前書き」とかなんてオシャレなんだろう。 表現が毎回遠回しで、まるで京都のぶぶ漬けみたい。けど婉曲な言い回しこそこの著者の魅力だと思う。きっと時計職人として日々ゆっくりとした時間を刻んでいるからこそ、あまり歯切れのいい言葉ではなく、ゆっくりと噛み締めるような言葉を使うんだろうな。 なかなかカロリー消費する一冊だけど、手に取ることが出来てよかったと思います。2025/04/24

ゆうやけPC

2
時計の歴史の明暗いろんな事が書かれていて時計職人の著者の几帳面さが表れているような気がした2025/05/01

Go Extreme

2
時計技術の進化→時間を制御→逆に時間に支配される現代社会 時計の精密さー時計の精度向上→人類の時間理解↑ 時間の哲学的意義ー人間の有限性・生の儚さ 技術革新の重要性 標準時の確立 機械式時計の美学 時計職人の熟練技術 時間と人間の関係ー時間の計測が→生活リズム・価値観 時計産業の変遷ークォーツ時計登場 装飾と芸術性 時間の不可逆性 時刻表示の多様性ーアナログとデジタル 自然のリズムー太陽や星の動きと密接に関係 時間の社会的管理 時計の進化と文化の影響 未来の時計技術:ー原子時計やスマートウォッチ 2025/01/10

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