内容説明
東京23区の新築マンションの平均価格が1億円を超えた!
人口は減少しているのに、なぜ都市部の住宅が高騰しているのか。もはや富豪しか都市部に住めないのか。
そんな現役世代の不安を払拭したいと、著者は立ち上がった。
再開発とタワマンの「罪」を炙り出し、
2030年、2040年に中古マンションと中古戸建が
大量に流通する駅前の土地はどこかを独自に分析。
エリア別ランキング表を作成した。
現役世代にエールを送り、国の都市政策を一喝する。
第1章 この10年の地価高騰を読み解く
第2章 今、なぜ、家が手に入りにくいのか?
第3章 高コスト化する再開発
第4章 中古マンション編:住宅の流通量が増加する駅
第5章 中古戸建編:住宅の流通量が増加する駅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
44
住宅が高騰している現象を住宅の社会的側面から構造的に分析し、問題点を指摘して改善案を提案しているちゃんとした本。用地の枯渇から駅前の再開発に舵を切ったマンション開発が、地権者の利害調整や資材、既存建物の解体費の高騰から付加価値を上げる計画をまとめるとタワーマンションになってしまう。一方は旧耐震のまま放置された築古マンションや、家主が亡くなり相続時に放置状態になった郊外の古戸建て。他方で高付加価値に両極化していて、中間層が満足して購入できる住宅が無いという状況は、社会の資源配分に不平等を所持させ、生産性を低2024/12/25
うえぽん
40
都市・住宅政策の専門家が、入手困難化する住宅事情に係る原因分析、施策提言に加え、2030〜40年頃に流通量増加が見込まれる中古マンション・戸建てが多い地域の情報を紹介。旧工場等を使い尽くし、「都市化」しきったこと、空き家は多くても流通に回らないこと、行き過ぎた民間主導でタワマンありきの再開発になっていること等を指摘。更なる高コスト化を助長しないよう、アフォーダブル住宅の供給、過度な共有化の抑制、建築物の終末期を視野に入れた政策、生活圏の再生、政策課題に応じた横断的ガバナンス等を提唱しており、傾聴に値する。2024/12/16
よっち
25
なぜ都市部の住宅は高騰しているのか。もう富裕層しか手が出せないのか。そんな現役世代の不安を払拭したいと、都市工学者が現状とこれまでの都市政策を検証する1冊。首都圏を中心に再開発とタワマンばかりの現状を炙り出し、2030年、2040年に中古マンションと中古戸建が流通する駅前の土地はどこなのかをデータに基づき徹底分析。今は需要がない物件と高騰した物件しか流通していない状況で、あと5年で流通量も変わるということでしたが、実際の購入希望者にとっては買いたいタイミングがあるわけで、こういうのは運不運もありますね…。2025/01/08
朝ですよね
3
基本的に良書でしたが、強いて言えば市場金利と住宅市場の関係についてもう少し考察がほしかった。ただ、こういった本は論点を政治経済の一般論まで広げると内容が薄くなりがちなので難しいのかも。区分所有化が進んでいる事はとても大きいリスクに見える。他の専門家の見解も聞いてみたい。2025/01/09
iwtn_
2
なんかこんな本ばかり読んでいる。本屋にもたくさんあるし。つまり需要があるってことなんだろう。東京圏で手が出ない住宅と手を出したくない住宅が増え続けていることを解説した本。都心部の再開発も住宅の高騰を後押しし、原材料も高くなっている。あと、相続によって2030年あたりで戸建ての中古住宅が流通すると。生活を重視した住環境の充実が大事なのは全くそのとおりなんだけど、しかしタワマンは買われるし、生活しやすいエリアは開発の対象になって住宅費は増えていくばかり。他に問題も多く……マジで都市から人が減るしかないかも?2025/01/09