内容説明
直木賞作家・佐藤愛子を祖母に持ちミュージシャン、漫画家として活動する杉山桃子のデビュー・エッセイ!
愛子センセイの奮闘に日本中が大笑い!大ヒットを記録した映画『九十歳。何がめでたい』
映画では描けなかった佐藤家の知られざる日常を文章・マンガ・イラストで赤裸々に綴った一冊!
「あたし、おばあちゃんとは合わないわー」
大正に生まれ、明治の価値観で生きる、稀代の作家も孫にとっては、単なるワガママばあさん!?
世間の常識を遥かに凌駕する愛子ルールに平成生まれの孫が物申す!
佐藤紅緑、サトウハチロー、佐藤愛子……佐藤家の熱い血は、この愛孫に引き継がれた!
【目次】
第一章 祖母との思い出
第二章 佐藤家の人々とその周辺
第三章 アバウト・ミー
第四章 最近の祖母
第五章 娘と孫の対談
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
136
ご存知あの佐藤愛子先生のお孫さんが作者。桃子さんを通しての愛子先生が見える。それは愛子先生がこれまで書いて下さったエッセイから感じる事とは多少違う感じもした。だがそれがどうした!なのだ。第四章『最近の祖母』では少し胸がしゅんとなりつつ読んだ。いつか来るのだと勝手に思ってしまうのだ。我が子と同じ世代の桃子さん、なかなかややこしい感じもするが(汗)それはそれで彼女自身が一番わかっているのだから「それでいいのだ」(私はバカボンのパパか?)ご本人存命中に孫として上梓出来て素晴らしい。先生はどう思っているだろう。2024/11/21
ときわ
10
年賀状で愛子さんとずっと付き合っていて、なんて優しいいい子なんだと思っていた。その印象は変わらず、お祖母ちゃんのことをいつも気にかけている桃子さん。そんな桃子さんが思春期に自傷行為をしていたことに衝撃を受けた。今まで聞いたこともない理由だった。あまりに真面目に考えすぎた挙句のこと。学校教育とは何なのか。でももし普通の近所の公立校に行ってたら浮いちゃっていじめられてたかもだし。今はちゃんと人生を送っているのだから何とも言えないわ。愛子さんの近況を教えてくれてありがとう。桃子さん、文才がある。血と環境かな。2025/01/29
さしみ
5
佐藤愛子の孫だから書ける本。とても面白かった。漫画が特に良かった!学生時代の希死願望やリストカットの章ではハラハラした。生き続けてくれて良かった。コスプレ年賀状の本も読みます!2025/03/26
けろ
4
特に残るところのない本であったが、佐藤愛子の一番尊敬している作家が、私と同じく井伏鱒二であると知れたのは収穫だった。推奨していたユーモア小説が『遙拝隊長』とあり、読み直すきっかけを得た。孫である著者のマンガはおもしろい。今後本業に専心されるのだろう。それにしても「佐藤愛子」はいくつになっても稼げる人であるとつくづく思う。こんな作家は他にいないのでは?2025/04/18
菊蔵
4
母の愛読書である佐藤愛子さんの本を子どもの頃から読んでいて、現在101歳を迎えられ大分認知に揺らぎが生じたということを聞き、最近の佐藤さんのご様子が書かれてるということでお孫さんの桃子さんのこちらの本を読んでみることに。知的な文章がとても読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。家族の側から見た佐藤愛子さんの人となりなど知ることができて非常に感慨深かったと共に、巻末の母・響子さんとの対談にも何度もハッとさせられる箇所があり、読んで良かったなーと思った2025/02/23