内容説明
今日の「韓国男子」たちを呪縛する、韓国近現代の「男なら…」のこじれの歴史を明らかに。フェミニズムへの応答としての韓国男子論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイティ
34
さすがのみすず、とてもしっかりした良書でした。築かれる男性像が現実との乖離に不利益を受けた人は、防御としての自己卑下が過剰になる。データで見ると賃金や犯罪被害率などでは圧倒的に女性が弱者だが、男性の持つ被害者意識も嘘ではない。戦う前からの敗北、若さの搾取と大人への不信感に揉まれ、狭き門の競争をくぐり抜けるため女性は努力し、男性は世代論と自己憐憫にはまる。そうなると郷愁になだれ込み、かつての尊敬されケアされた権威を求めるという。世の中の不確実性とグローバル化で変化していくだろうから、今後も注視していきたい。2025/02/01
えりまき
13
2025(176)韓国で生まれ育った「男性」の生き方について。分かりやすい文章でとても勉強になりました。男性の生きづらさから生じる、女性嫌悪。「人間」として、気持ちよく生活したい。 2025/07/22
すのさん
5
男性が女性への無自覚的な依存と抑圧を通じて自己を形成するという、自己形成のあり方に問題があると強く思う。これは戦時中の国家統制や資本主義により社会の根底に根付いてしまった思想ではないかと考えられ、女性をケアの役割に押し込めることで、男性を前線で戦わせるという構図は韓国だけでなく、日本を含む多くの社会に共通するものだろう。韓国の国家としての被支配経験、現代の徴兵制は韓国の男女差別と男性性形成に日本と違った要素を持たせている。感情史からの分析が、韓国男性の男性性の挫折と現在の空虚感を生々しく描き出している。2025/07/30
とりもり
3
「味噌女」「キムチ女」などの極端な女性蔑視の対極に、自分たちに都合のいい「概念女」の幻想を抱くあたり「どうしようもねーな」と思わなくもない。だが、軍事政権とその後も残る徴兵制、そして近時の極端すぎる受験戦争がそれを助長している面はあれど、日本にも少なからず見受けられる傾向では?という気も。「韓男」の原型を作り上げたのが日本統治化の家長制にあるとすれば、「韓国男子」の困難の一端には日本の責任もあるかも。能力本位で女性の活躍する場面がより一層拡大していく中、こうした風潮がなくなることを願うばかり。★★★★☆2025/04/12
ウンにゃん
2
全編に渡って韓国の歪な男尊女卑と家父長制が語られる中、暗澹たる気持ちでページを捲っていたら「韓国社会より性差別が厳しいと言われる日本」という描写があって、もう笑うしかなかった 最悪の、さらに最悪を生きている国から、もう一つの国へ、我々も共に戦わせてほしい2025/02/08
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