内容説明
笑いと人情が詰まった、人気の5つの演目を大胆に猫で漫画化! 《本書の構成》●初天神(はつてんじん) ●粗忽の釘(そこつのくぎ) ●死神(しにがみ) ●目薬(めぐすり) ●文七元結(ぶんしちもっとい) ――猫には元来、人間のような表情はない。その猫が喜怒哀楽を表わす。だから感情移入してしまうし、その世界が広がっていくのである。本作は落語未経験者も落語マニアも、さらに本職の落語家にも、是非一読してもらいたい作品です。――(監修 立川志らく「はじめに」より抜粋) 本来、落語は、聴いて楽しむもの。落語家のしゃべりそのものが全てという世界観。その分、聞き手は自由に想像を膨らませられるし、同じ演目でも落語家によって、タイミングによって変わってきます。しかし、本書ではあえて漫画で表現。読んで楽しむ落語に挑戦しています。まだ落語を聴いたことがない人だけでなく、落語通の方にも楽しんでいただけるよう、せっかくなので登場人物は全員、猫に演じてもらいました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kayo
22
「初天神」「粗忽の釘」「死神」「目薬」「文七元結」の五つの噺がねこが主役の漫画になって収録。米津玄師さんの「死神」に「アジャラカモクレンテケレッツノパー」という歌詞があり、それはこの噺に出てくる呪文だと知り気になっていて、なるほど、こういう噺だったんだな。米津さんの創造は色んな所に源泉があるんだなぁと感心。「文七元結」は昨年読んだ「碁盤斬り」の基になる噺のようですね。日常にも落語が元の言葉などがありますし、勤務先には落語の絵本もありますし、年齢的にもちゃんとした落語を聞きたくなっている最近です。2025/01/26
marumo
16
か〜わ〜い〜い〜〜。微妙に目つきの悪いポッチャリねこたちが古典落語を演じます。もうね、駄々をこねても、博打ですってんてんになっても、何しても可愛いのよ。一度観に行きたいなあと思いつつ、あまりの知識不足に二の足を踏んでいる私でも十分楽しく読めました。ラストの「文七元結」は人情物というやつなのかな?ほんわりと胸が温かくなりました。2025/05/19
小梅さん。
8
古典落語の名作の登場人物が猫に! 猫と落語の相性がいい上に、志らく師匠が監修だけあって、落語の出来栄えもGood。 猫好き&落語好きとしてははずせない1冊。2025/02/20
☆ひとこぶラクダちゃん☆
4
落語とは『知らないおじさんが着物を着て、江戸時代の笑い噺を一人でボソボソ語っている、地味な伝統芸能だと思っているはず』と志らくさんは言っています。しかし登場人物が猫の漫画なら、きっと楽しいのでは?という本です。確かに、猫の表情一つ一つが喜怒哀楽に満ちており、苛ついて歪んだ顔が面白いです。お話は「死神」が好きです。そういえば幼い頃、命の蝋燭の話を信じてましたね。懐かしや。2025/01/31
碧子
4
落語をちゃんと見たり聞いたことは無かったが、分かりやすくて面白かった。特に「目薬」は笑い転げながら読んだしオチも秀逸。猫の仕草や表情が人間めいているのに端々はちゃんと猫らしいのも可愛くて良い。落語ってこんなに面白いんだ、というのを知れる。2025/01/16